2003年英語版に ジャンプします。
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シノニム
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Formicinae : 寺西, 1929.
ヤマアリ亜科 : 安松, 1948.
Camponotinae : 矢野, 1910.
クマアリ亜科 : 矢野, 1910.
クマアリ亜科 : 寺西, 1929.
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解 説
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ヤマアリ亜科はフタフシアリ亜科と共によく繁栄しているグループで,特に温帯地方では大型で活発な種類を含み,地上活動性の種も多く,目立つグループである。
働きアリの頭盾後部は触角挿入部の間までは一般に入り込まない。額域はほとんど常に明瞭。複眼は多くの属で発達するがミツバアリ (Acropyga) 属のようにまれには痕跡的,あるいはないこともある。単眼はいくつかの属では働きアリでもよく発達する。触角は先端に向かって次第に太くなることはあっても棍棒部は形成しない。アメイロアリ (Paratrechina) 属やケアリ (Lasius) 属の一部のように小あごひげや下唇ひげが発達し伸張する場合もある。胸部は中胸の気門である小隆起をもつ。後胸溝は多くの場合多少とも明瞭。腹柄は一節で鱗片状か,あるいはまれに結節状で,トゲアリ (Polyrhachis) 属やオオアリ (Camponotus) 属の一部では歯や刺を備える。膨腹部第2節の前方部にはハリアリ亜科にみられるくびれはなく,また発音器も欠く。腹部は上方からみて明瞭な5節からなる。腹部末端には刺針を欠き,円錐形の突起となって,その先端にある丸い開口部の周りには一般に毛の列 (周毛) がある。この口は毒の噴出口である。後脚の爪はクシ状ではない。
雌アリは働きアリによく似るが,一般に大型で,特に胸部が発達する。普通有翅であること (サムライアリPolyergus属などで無翅型が現れることもある),複眼がよく発達すること,つねに単眼があること,有翅型では胸部の構造が細かく区画されることなどの点が働きアリと異なる。翅脈は亜科の中では普通一定の型をとる。つまり縁室 (または径室) が閉じ (つまり径脈が前縁脈まで到達し),また亜前縁室 (または肘室) は1個で,径脈と中央脈が一点で接するか,またはある長さで合流するかになる (ただしミツバアリ属でかつてRhizomyrma 亜属とされていたグループではこの2脈は接着しない)。大きく2型があり,中央室を有する場合 (Formica 型) と,欠く場合 ( Camponotus 型) がある。
雄アリは常に有翅。一般に触角柄節は長い (サムライアリ属などは例外)。胸部の条溝や翅脈は雌アリと同じ。腹柄節も似るが,結節状に膨れる傾向があり,また決して刺はない。一般に尾毛 (cerci) はよく発達するが,この突起を欠く属もいくつかある。爪は働きアリと同じ。蛹は繭に包まれる場合が多い。
現生種は約11族49属からなり,3500種以上が含まれる。形態的には大きな分化はないが,習性的には多様な分化がみられ,一時的な社会寄生を行うもの (ヤマアリFormica属,ケアリ属,トゲアリ属などの一部),奴隷狩りを行うもの (サムライアリ属,Rossomyrmex 属やヤマアリ属の一部),膨職蟻型 (働きアリの一部が蜜樽として貯蔵庫となるもの) の見られるもの (ウワメアリPrenolepis属,ミツツボアリMyrmecocystus属の大部分),ほぼ完全な地下生活の採用 (ミツバアリ属,ケアリ属の一部,Acanthomyops 属等) などさまざまな生活型が知られる。営巣場所は多くの種では地中であるが,ナワヨツボシオオアリ (Camponotus nawai) やトゲアリ (Polyrhachis lamellidens),チクシトゲアリ (P. moesta) などのように植物体の空洞に営巣するものもある。
和名一覧(日本蟻類研究会, 1988)では4族10属61種について和名を整理し,検索と解説(日本蟻類研究会, 1991)では4族10属64種が扱われていたが、それ以降多くの属で研究が進み、データベース2003年版(アリ類データベース作成グループ, 2003)では10属75種が掲載されていた。今回の改訂では2002年に報告されたコツブアリ属Brachymyrmex が新たに加わり、11属76種となったほか、ケアリ属のクサアリ亜属(Dendrolasius)において学名の大幅な変更とミツバアリ属Acropygaの亜属の廃止を行なった。コツブアリ属は本改訂では検索表に含まれていないが、ヤマアリ亜科の他の属との区別点は属のページに示した。 |
引用文献 |
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- アリ類データベース作成グループ (2003) 日本産アリ類画像データベース. アリ類データベース作成グループ, 仙台.
- 日本蟻類研究会 編 (1988) 日本産アリ類和名一覧. 日本蟻類研究会, 東京.
- 日本蟻類研究会 編 (1991) 日本産アリ類の検索と解説(II)カタアリ亜科,ヤマアリ亜科. 日本蟻類研究会, 東京.
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担当者 |
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吉村正志(2008改訂)園部力雄・緒方一夫・小野山敬一(〜2003) |
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