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ウロコアリ属

Strumigenys


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学 名

Strumigenys

原著論文

Smith, F. (1860) Descriptions of new genera and species of exotic Hymenoptera. Journal of Entomology 1: 65-84.

シノニム

Strumigenys Smith F., 1860.
Strumigenys : 日本蟻類研究会, 1988, 1992; 寺山 & 木原, 1994; アリ類データベース作成グループ, 1995, 1998, 2003b, a; Japanese Ant Database Group, 2003.
ウロコアリ属 : 寺西, 1929.
Quadristruma : 日本蟻類研究会, 1988, 1992; 寺山 & 木原, 1994; アリ類データベース作成グループ, 1995, 1998, 2003b, a; Japanese Ant Database Group, 2003.
オガサワラウロコアリ: 緒方, 1985.
ヨフシウロコアリ属: 日本蟻類研究会, 1988.

解 説

 働きアリは体長1.5〜3.5mmの小型のアリ。大あごは細長い棒軸状で,先端部は多 少とも垂直に位置する2個の針状の歯がフォーク様に2叉に配列する。背面の方の歯が最も長い。2個の針状の歯の間にはいくつかの歯が並ぶことがある。亜先端部(先端部から少し基部寄りの内縁部分)にはふつう1個か2個の歯があるが,ない場合もある。左右の大あごは最大で170度以上ひらく (Bolton, 1999) 。大あご基部は腹側から見て細く,下唇-小あご複合体の先端につく(Bolton, 1999)。上唇は逆T字状で末端は伸長しない。頭盾は平たく大あご挿入部の上へ張り出す。複眼は触角収容溝の下縁に位置する。触角は6節または4節。前伸腹節には1対の歯または針と薄板あるいはどちらかを備える。腹柄にはふつう海綿状の付属物をそなえる。しばしば特殊な体毛をもつ。
 ウロコアリ属はウロコアリ族tribe Dacetiniの一員である。Bolton(1999)によりウロコアリ族は9つの構成属に再編され,日本産の属ではヨフシウロコアリ属Quadristrumaがウロコアリ属の新参異名として併合された。Bolton (2000) により303種の新種が記載され,本属は記載種466種を含む巨大な属となった。Boltonら(2006)によれば現在はさらに増えて世界で474種が分布する。日本国内ではデータベース2003年版(アリ類データベース作成グループ, 2003b)の時点で未記載種2種を含む10種が報告されていた。
 その後2003年にはYoshimura & Onoyama(2003)がミノウロコアリS. godeffroyiをあらたに報告し、さらにYoshimura & Onoyama (2007)は学名が未決定であったキタウロコアリとミナミウロコアリ2種について、分類学的な検討を行なった。これによって、ミナミウロコアリS. sp. 9はウロコアリS. lewisiの変異であることが明らかになり、一方のキタウロコアリS. sp. 9は新たにS. kumadoriとして記載された。こうした2003年以降の一連の変更を受けて、結果的に、現在の種数は2003年版と変わらず10種となっている。
 本属はトビムシ類などを餌とし,大あごと上唇の独特の形態は狩り方と密接に関係している(Masuko,1984)。働きアリをもたない社会寄生性の種が2種知られている (Brown,1955;Taylor,1968a)。

文 献
  • Masuko, K. (1984). Studies on the predatory biology of Oriental dacetine ants (Hymenoptera: Formicidae) I. Some Japanese species of Strumigenys, Pentastruma, and Epitritus, and a Malaysian Labidogenys, with special reference to hunting tactics in short-mandibulate forms. . Ins. Soc., 31, 429-451.
  • Brown, W. L., Jr. (1955). The first social parasite in the ant tribe Dacetini. . Ins. Soc., 2, 181-185.
  • Taylor, R. W. (1968). The Australian workerless inquiline ant, Strumigenys xenos (Hymenoptera, Formicidae) recorded from New Zealand. . N. Z. Entomologist, 4, 47-49.
  • Bolton, B. 1999. Ant genera of the tribe Dacetonini (Hymenoptera: Formicidae). J. Nat. Hist., 33: 1639-1689.



    追加引用文献:

  • アリ類データベース作成グループ (1995) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.

  • アリ類データベース作成グループ (1998) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.

  • アリ類データベース作成グループ (2003a) 日本産アリ類全種図鑑. 学研, 東京.

  • アリ類データベース作成グループ (2003b) 日本産アリ類画像データベース. アリ類データベース作成グループ, 仙台.

  • Bolton, B., Alpert, G., Ward, S. P. & Neskrecki, P. (2006) Bolton's Catalogue of Ants of the World: 1758-2005. Harvard University Press, Cambridge, Massachusetts.

  • Japanese Ant Database Group (2003) Ants of Japan. GAKKEN, Tokyo.

  • 日本蟻類研究会  編 (1988) 日本産アリ類和名一覧. 日本蟻類研究会, 東京.

  • 日本蟻類研究会  編 (1992) 日本産アリ類の検索と解説(III)フタフシアリ亜科,ムカシアリ亜科(補追). 日本蟻類研究会, 東京.

  • 緒方 一夫 (1985) 日本産アリ類の見分け方(4)-フタフシアリ亜科各属の解説-. Nature Study, 31: 125-128.

  • 寺山 守 & 木原 章 (1994) 日本産アリ類県別分布図. 日本蟻類研究会, 東京.

  • Yoshimura, M. & Onoyama, K. (2003) A new record of a dacetine ant, Strumigenys godeffroyi Mayr, 1866 (Hymenoptera: Formicidae) from Japan. Edaphologia, 71: 9-10.

担当者

吉村正志(2008改訂)、吉村正志・小野山敬一・緒方一夫・寺山 守(〜2003)