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キタウロコアリ
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Strumigenys kumadori |
原著論文 |
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Yoshimura, M. & Onoyama, K. (2007) A new sibling species of the genus Strumigenys, with a redefinition of S. lewisi Cameron. pp. 664-690. In: Snelling, R. R., Fisher, B. L. & Ward, P. S. (Ed.) Advances in ant systematics (Hymenoptera: Formicidae): homage to E. O. Wilson − 50 years of contributions. American Entomological Institute, Gainesville.
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シノニム |
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Strumigenys kumadori Yoshimura & Onoyama, 2007.
キタウロコアリ : Sonobe, 1977.
Strumigenys sp. 1 : Sonobe, 1977.
Strumigenys sp. : Masuko, 1984; 増子ら, 1985.
Strumigenys sp. 4: Japanese Ant Database Group, 2003; 日本蟻類研究会, 1988, 1992; 寺山 & 木原, 1994; アリ類データベース作成グループ, 1995, 1998, 2003b, a; 寺山, 2004.
Strumigenys lewisi : 棟方, 1972[誤同定].
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解 説 |
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体長2〜2.5 mm 弱。体色は黄褐色から褐色。触角は6節。大あごは長く,ほぼ直線状.大あごには刺状の亜先端歯を持つ.頭部後方中央部にある一対の立毛は直毛.触角収容溝後端にある立毛は長く縮れる.前胸肩部の毛は長い縮れ毛.前胸背面の伏毛はまばら.中胸前部の一対の立毛は長く縮れる.中胸と前伸腹節の側面には点刻がない平滑な部分を持つ.前伸腹節刺は弱くしばしばその全形が不明瞭.前伸腹節後方の海綿状薄板はよく発達し横から見てその外縁は後方へ弱くせり出す.薄板の最大幅は前伸腹節刺の長さとほぼ同じ.薄板の背縁部は前伸腹節刺の背面より上には、はみ出さない.
ウロコアリStrumigenys lewisiに非常に良く似るが、1)働きアリでは触角収容溝後端と中胸前部の立毛が長く縮れることで区別でき、女王アリでは、2)後方の単眼が大きく発達すること、2)単眼の周りが黒く縁取られること、3)複眼が大きくその最大直径が前伸腹節刺の長さを明らかに超えること、4)中胸背板がよく発達し背面から見て幅広いこと、5)翅が相対的によく発達し長く大きいこと、といった違いによりウロコアリと区別できる。雄アリでは大あごの形と生殖器の形態に違いが見られる。
本種は最初、Sonobe(1977)によってキタウロコアリStrumigenys sp. 1として記録された。この報告のなかでは、ウロコアリに酷似するが、女王アリの胸部が大きく盛り上がり複眼が大きいという形質でウロコアリと区別されている。Masuko(1984)および増子ら(1985)でもこれをうけてS. sp. とされ、ウロコアリとは分けて扱われた。その後和名一覧(日本蟻類研究会, 1988)でキタウロコアリS. sp. 4として掲載されて以降、データベース2003年版(アリ類データベース作成グループ, 2003b)までそれを引き継ぎ、その中でも働きアリでのウロコアリとの区別は困難であるとされていた。
2007年になってYoshimura & Onoyamaはキタウロコアリとウロコアリ・ミナミウロコアリS. sp. 9(現在はウロコアリに含まれる)との分類学的な関係を再検討し(Yoshimura & Onoyama, 2007)、本種をS. kumadoriとして記載すると共に、ウロコアリとの働きアリによる区別点を示した。
ウロコアリと同様のところに営巣する (増子ほか, 1985)。巣は基本的には単雌性 (増子ほか, 1985)。棟方 (1972) による北海道松前小島からのウロコアリの報告は,本種の誤同定であることが判明した(Yoshimura & Onoyama, 2007)。
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文 献
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追加引用文献:
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アリ類データベース作成グループ (1995) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.
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アリ類データベース作成グループ (1998) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.
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アリ類データベース作成グループ (2003a) 日本産アリ類全種図鑑. 学研, 東京.
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アリ類データベース作成グループ (2003b) 日本産アリ類画像データベース. アリ類データベース作成グループ, 仙台.
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Japanese Ant Database Group (2003) Ants of Japan. GAKKEN, Tokyo.
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Masuko, K. (1984) Studies on the predatory biology of oriental dacetine ants (Hymenoptera: Formicidae). I. Some Japanese species of Strumigenys, Pentastruma, and Epitritus, and a Malaysian Labidogenys, with special reference to hunting tactics in short-mandibulate forms. Insectes Sociaux, 31: 429-451.
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増子恵一, 山岡寛人, 神成忠男 & 薄葉重 (1985) 清澄山のアリ類 (4) 清澄山周辺のアリ目録 その3. 清澄, 11: 9-12.
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棟方明陽 (1972) チッチゼミとウロコアリの北海道からの記録. 昆虫, 40: 314.
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日本蟻類研究会 編 (1988) 日本産アリ類和名一覧. 日本蟻類研究会, 東京.
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日本蟻類研究会 編 (1992) 日本産アリ類の検索と解説(III)フタフシアリ亜科,ムカシアリ亜科(補追). 日本蟻類研究会, 東京.
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Sonobe, R. (1977) Ant fauna of Miyagi Prefecture, Japan. Japanese Journal of Ecology, 27: 111-116.
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寺山 守 (2004) 日本産有剣膜翅類目録. Memoirs of the Myrmecological Society of Japan, 2: 1-123.
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寺山 守 & 木原 章 (1994) 日本産アリ類県別分布図. 日本蟻類研究会, 東京.
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担当者
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吉村正志(2008改訂)、小野山敬一・緒方一夫・寺山 守・吉村正志(〜2003)
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