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7.体毛


 太く長い毛を剛毛(seta)といい,本書では長毛という語を用いている箇所もある。一般に体毛(pilosity)とはこのような毛の集まりをさす。短く細い毛を軟毛(pubescence)という。軟毛と長毛は同時に存在することもある。例えばヤマアリ(Formica)属の種を区別する時のように,特定の部位の剛毛(長毛)の数が重要な形質となることもある。また生えている密度が相対的に密か疎かという点も区別点となる。

 生えている毛のおおよその角度から立毛と伏毛に大別することができる。立毛には,直立(erect:ほぼ垂直に生えている),斜直立(suberect:生えている面に対し70〜80度くらいの傾斜),もしくは立伏臥(subdecumbent:生えている面に対し45度ぐらい傾斜)した毛が含まれる。伏毛には斜伏臥(decumbent:生えている面に対し10〜40度ぐらい傾斜),平伏臥(appressed:ほぼ生えている面と平行)した毛が含まれる。例えばケアリ属の種を区別する際に,触角柄節や脚脛節上の立毛の数は重要な形質となる。

 また毛の形から二股もしくはそれ以上に分岐している分岐毛(branched hair),
側方が鋸歯状に分岐している羽毛状毛(plumose hair),
平たくウロコ状となる鱗片状毛(squamate hair)などが区別される。

解説者:緒方 一夫