利用案内
はじめに
謝辞
使い方
著作権について
CD-ROM版と図鑑のご案内
解 説
アリ学入門書
用語の解説
タイプ標本
その他
分類
亜科名さくいん
属名さくいん
種名さくいん
学名シノニム
和名シノニム
検索キー
画像ライブラリ
栗林写真館
雄アリの写真
イメージ検索
全国の属
全国の種


English
2003年英語版に
ジャンプします。

はじめに


累積アクセス数 日本産アリ類画像データベース(以下、アリ類データベース)は、インターネット(WWW)が日本で一般に普及しはじめて間もない1995年に「日本産アリ類カラー画像データベース」としてWeb上に公開された。その後1998年版、2003年版を経たのち、2007年7月に2007年ベータ版としてリニューアルして、現在に到っている。公開当初からの累積アクセス数は既に1億6000万ヒットを超え、現在も、ほぼ月間100万以上のアクセスを記録するWebサイトである。
 このアリ類データベースの大きな特徴は、アリの専門知識がなくても使用できる幾通りもの検索方法を用意することで、分類専門家以外の、一般の人にも閲覧しやすいシステムを持っていることである。日本国内からのアクセス数の推移アリの分類情報が中心のデータベースでありながら、夏休み期間の8月には毎年、日本国内からのアクセスが大きく伸びて、子どもや保護者からのメールでの問い合わせが増加することから考えても、研究と教育両用のデータベースの提供という、設立当時の目標に対しては大きな成功を収めているといえるだろう。


 今回で3回目になる改訂作業は2006年から始まり、2007年7月の2007ベータ版公開によって改訂をユーザに告知し、2008年3月には2008年CD-ROM版として出版するに至った。今回の改訂のひとつの大きな特徴は、改訂作業と同時進行でWebページを随時更新していくという、これまでのアリ類データベースにはなかった方法を導入したことであった。この方式は、2008年版CD-ROMの出版以降も継続していくこととなる。


 2008年CD-ROM版では、基本的なページデザインは2003年版を引き継ぎ、一見すると各ページにそれほど大きな変化はない。これは、今回の改訂の主眼がページデザインやシステムではなく、掲載されている情報そのものに置かれているためである。最新の日本産アリ類のリストや、過去の名前との対応を追えるシノニムさくいんなども、その一環として追加された。


 さて、随時更新型へ移行したことで、アリ類データベースはより新しい情報を、より早くユーザに届けることができるようになったわけだが、ここにはひとつ大きな問題がある。随時更新される方式では、情報が新しい反面、非常に流動的である。更新履歴を参照できるとはいえ、膨大な変更箇所のなかで、細かい文章の変更を追うことが難しい場面もあるだろう。アリ類データベースは基本的に、既に発表された情報を集め、それら散在する情報への「入り口」の役目を果たすべきデータベースだが、参照するたびに変化していたのでは心許ないこともある。「新鮮さ」と場合によっては相反する、「時間が経過しても変化しない安定性」も、アリ類データベースにとってはやはり不可欠な要素なのである。最新情報が掲載されるWeb版に対し、定期的なCD-ROM版の出版という形で変更を安定かつ参照可能な情報として保存し、提供する活動は、上記のような背景に起因する。今後、 学術的にデータベースを引用する必要が生じた場合には、Web版ではなく、このCD-ROM版を使用していただけると、後々の混乱が回避できるだろう。

 なお、なるべくコンパクトにまとめるため、2008年版CD-ROMには、日本語版のみを収録している。英語版が必要な場合には、引き続き2003年版を参照していただきたい。

 最後に、これはグループ内の事情であるが、今改訂からは長らく代表をつとめていた今井氏に変わり、吉村が改訂の責任を担うこととなった。私自身、1999年からデータベース作成グループに参加しているが、それ以前はこのデータベースを使ってアリの情報を学んだユーザの一人であった。これまでの成果を踏襲しながら、次世代へとバトンが引き継がれるというのも、最古参といわれるアリ類データベース作成グループの、際立った特徴のひとつといえるだろう。


 新しい体制のもと、これまで以上に充実したコンテンツをユーザの皆さんに提供できるよう、取り組んでいくつもりである。これまで同様、アリ類データベースを活用していただければありがたい。



2008年4月
アリ類データベース作成グループ2008
改訂責任者 吉村正志