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アリは冬,なにをしているの? |
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春から秋のあいだ,いろいろな場所ですがたをみることができたアリは,冬になると,ぱたりとすがたをみせなくなってしまいます.また,春から秋にアリがさかんにでたりはいったりしていた巣あなも,冬になるとなくなってしまいます.
いったいアリたちは,冬のあいだどこにいってしまうのでしょう. |
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かれ木のなかでじっとして冬をこす,ムネアカオオアリCamponotus obscuripesのめす | |||||||||||
アリは,体温がまわりの温度とともにかわります.ですから,冬になると,体がひえて,うごけなくなります.そこで,あたたかい土のなかや,木の皮のうらなどで,じっとしているのです.
ほとんどのアリは,秋にたくさんえさをたべて体に脂ぼうをため,冬のあいだはなにもたべません. それまでアリのではいりしていた巣あなは,ではいりがなくなるので,しぜんに土やすながかぶさり,とじてしまいます.春になってあたたかくなると,アリはふたたびうごきはじめ,巣の入り口をあけて,そとにではじめるのです. |
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イソップの童話に,「アリとキリギリス」という話があります.夏と秋にいっしょうけんめいはたらいたアリたちが,そとにたべもののすくなくなる冬には,たくわえたたべものをたべてくらしているという話です.
クロナガアリMessor aciculatusは,秋になると,植物のたねを巣にはこんでたくわえます.そして,冬のあいだ,このたねをたべてくらしています. ほかのアリは,冬にそなえて,たべものをたくわえるようなことはしません. |
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クロナガアリM. aciculatusは秋にたべものをたくわえます |