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たった一ぴきのめすアリがアリの王国をつくる!? |
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巣からとびたっためすアリは,三〇分くらいで交尾をおえて,地面におりてきます.そして,あしをつかって羽をおとし,巣をつくる場所をさがします.もう羽は,ひつようなくなったのです.
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羽をおとしたクロオオアリC. japonicusのめすアリ.羽をおとしたためいらなくなった胸の筋肉がとけて,だえきにふくまれ,さいしょにうまれた幼虫のたべものになります. | ||
めすアリは,石の下などにあなをほって,じぶんがはいるくらいのちいさなへやをつくります.そして,卵を一日に一こずつ,うみます. 卵がかえると,めすアリはなにもたべずに,卵や幼虫のせわをします.はじめの年の幼虫は,めすアリのだえきだけでそだち,ちいさなハタラキアリになります. つぎの年からは,めすアリは卵をうむだけになります.えさをはこんだり,卵や幼虫のせわをするのは,すべてハタラキアリがしてくれるからです.また,巣をひろげていくのも,ハタラキアリのやくめです. こうして,卵をうむめすアリ(女王アリ)と,たくさんのハタラキアリのいる王国がつくられていきます. |
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ずるいめすアリ アカヤマアリFormica sanguineaやキイロケアリLasius flavusのめすアリは,じぶんでは巣をつくりません.これらのめすアリは,交尾がおわると,ほかの種類のアリの巣にもぐりこみ,そこにいる女王アリをころして,じぶんが女王アリになります. このような巣では,はじめは,もとから巣にいた種類のハタラキアリがおおいのですが,だんだんあたらしい女王アリとおなじ種類のハタラキアリがふえ,さいごには,あたらしい女王アリとおなじ種類のアリだけになってしまします. |