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ヒラズオオアリ
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Camponotus nipponicus |
学 名
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Camponotus nipponicus
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原著論文
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Wheeler, W.M. (1928) Ants collected by Professor F. Silvestri in Japan and Korea. Bollettino del Laboratorio di Zoologia generale e agraria del R. Istituto Superiore agrario di Portici 22: 96-125.
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シノニム
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Camponotus (Colobopsis) nipponicus Wheeler, 1928.
Camponotus (Colobopsis) nipponicus : 日本蟻類研究会, 1988, 1991; アリ類データベース作成グループ, 1995, 1998, 2003b; 寺山, 2004.
Colobopsis nipponicus : 寺山 & 木原, 1994.
Camponotus nipponicus : Japanese Ant Database Group, 2003; アリ類データベース作成グループ, 2003a.
ヒラズオオアリ : 日本蟻類研究会, 1988?
Camponotus (Colobopsis) rothneyi : Wheeler, 1906.
Camponotus (Colobopsis) truncatus : Ito, 1914.
ウメマツオオアリ : 太田, 1936.
タテアリ : 矢野, 1943.
ヒラヅオオアリ : 森下, 1945.
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解 説
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ヒラズオオアリ亜属Colobopsisの1種。体長は小型働きアリで 2.5〜3 mm,大型働きアリで 5 mm。頭部,胸部は黒褐色からほぼ黒色。腹部は黒色。大型働きアリの頭部は,前方から見て頭盾切断面の縁が直線状で中央部付近が明瞭に突出しない。
ヒラズオオアリの日本での最初の記録は、Wheeler(1906)によるCamponotus (Colobopsis) rothneyiとしての記録だが、後に彼自身の手によってC. rothneyiとは別の種であることが判明したとして、C. (Colobopsis) nipponicusの名で改めて記載されている(Wheeler, 1928)。
和名一覧(日本蟻類研究会, 1988)ではこれらを受けて本種をオオアリ属ヒラズオオアリ亜属ヒラズオオアリC. (Colobopsis) nipponicusとして掲載しており、検索と解説(II)(日本蟻類研究会, 1991)ではこれに従っている。
その後県別分布図(寺山 & 木原, 1994)ではヒラズオオアリ亜属をオオアリ属から独立した属として扱い、本種をその一種、ヒラズオオアリColobopsis nipponicusとして掲載したが、Colobopsisを属として扱ったのはこのときだけでデータベース1995年版(アリ類データベース作成グループ, 1995)以降はまたオオアリ属のヒラズオオアリCamponotus (Colobopsis) nipponicusとして掲載、これが現在まで引き継がれている。県別分布図からデータベース1995年版にかけての扱いの変更については、後に寺山(1998)が1995年に発表されたBoltonの体系(Bolton, 1995)に従ったことを示している。
6〜7月に結婚飛行が見られる。樹上営巣性。
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分 布
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本州(関東以南),四国,九州,屋久島,南西諸島(奄美大島,徳之島,渡嘉敷島),小笠原諸島
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文 献
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- Wheeler, W. M. (1928). Ants collected by Professor F. Silvestri in Japan and Korea. . Boll. Lab. Zool. Gen. Agrar. Portici, 21, 96-125.
- Wheeler, W. M. (1906). The ants of Japan. . Bull. Amer. Mus. Nat. Hist., 22, 301-329.
- Formicidarum Japonicum species novae vel minus cognitae. Annales de la Soci師? Entomologique de Belgique 58: 40-45.
- 太田幸好 (1936). 日本産蟻類.昆虫世界 40: 166-169, 426-433.
- 矢野宗幹 (1943). 蟻の世界.6+4+248+7 pp. 岩波書店.
追加引用文献:
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アリ類データベース作成グループ (1995) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.
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アリ類データベース作成グループ (1998) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.
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アリ類データベース作成グループ (2003a) 日本産アリ類全種図鑑. 学研, 東京.
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アリ類データベース作成グループ (2003b) 日本産アリ類画像データベース. アリ類データベース作成グループ, 仙台.
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Bolton, B. (1995) A new general catalogue of the ants of the world. Harvard University Press, Cambridge, Mass.
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Japanese Ant Database Group (2003) Ants of Japan. GAKKEN, Tokyo.
- 日本蟻類研究会 編 (1988) 日本産アリ類和名一覧. 日本蟻類研究会, 東京.
- 日本蟻類研究会 編 (1991) 日本産アリ類の検索と解説(II)カタアリ亜科,ヤマアリ亜科. 日本蟻類研究会, 東京.
- 寺山 守 (1998) "日本産蟻類の検索と解説I、II、III" 以降の学名変更種一覧. 蟻, 22: 13-18.
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寺山 守 (2004) 日本産有剣膜翅類目録. Memoirs of the Myrmecological Society of Japan, 2: 1-123.
- 寺山 守 & 木原 章 (1994) 日本産アリ類県別分布図. 日本蟻類研究会, 東京.
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担当者
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吉村正志(2008改訂)、寺山 守・森下正明・小野山敬一(〜2003)
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