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ミヤコオオアリ
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Camponotus friedae | 
 
 
 
原著論文
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 Forel, A. (1912) H. Sauter's Formosa-Ausbeute: Formicidae. Entomologische Mitteilungen 1: 45-81. 
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シノニム | 
 
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  Camponotus friedae Forel, 1912. 
      Camponotus (Myrmoturba) friedae : Forel, 1914. 
      Camponotus (Tanaemyrmex) friedae : Emery, 1925; Terayama, 1999; 寺山, 2004. 
      Camponotus (Myrmamblys) friedae : アリ類データベース作成グループ, 2003b [間違い]. 
      Camponotus friedae : Japanese Ant Database Group, 2003; アリ類データベース作成グループ, 2003a. 
ミヤコオオアリ : 寺山 & 木原, 1994. 
Camponotus (Myrmamblys) sp. 8 : 寺山 & 木原, 1994. 
Camponotus (Tanaemyrmex) sp. 8 : アリ類データベース作成グループ, 1998(英語版); 寺山, 1998. 
Camponotus (?) sp. 8 : アリ類データベース作成グループ, 1995, 1998(日本語版). 
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  解 説 | 
 
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  アメイロオオアリ亜属Tanaemyrmexの1種。体長は小型働きアリで5 mm,大型働きアリで7-9 mm。頭部は黒色。胸部と腹柄節は黒色。腹部は黒色で第1節は褐色がかる。胸部背面上に20本以上の特徴的な長い立毛があることから南西諸島の近似の他種とは容易に区別される。前伸腹節後縁は急激に落ち込む。  
 Terayama (1999)中では、本種はCamponotus (Myrmoturba) friedaeとして記載されたとなっているが、本種の亜属は原記載の段階では明示されておらず、2年後の1914年に、記載したForel自身の手によってMyrmoturba亜属に入れられた後、Emeryが1925年に現在のアメイロオオアリ亜属に配置している。  
 本種の日本での初出は、1994年に県別分布図(寺山 & 木原, 1994)の中の「ウメマツオオアリ亜属の学名未決定種」、ミヤコオオアリCamponotus (Myrmamblys) sp. 8としての掲載である。しかしこのあと1999年に寺山により学名が決定するまで(Terayama, 1999)、日本のミヤコオオアリはいくつかの要因が重なって所属する亜属をめぐって混乱を見せる。まず、翌年に発表されたデータベース1995年版では「亜属不明」として掲載され、その3年後の1998年に寺山自身が「アメイロオオアリ亜属の学名未決定種」C. (Tanaemyrmex) sp. 8として、ミヤコオオアリを1994年の県別分布図から引用する(寺山, 1998)。データベース1998年版の英語版ではこれに従いC. (Tanaemyrmex) sp. 8として掲載されているが、日本語版では依然として亜属不明のままであった。1999年に寺山が種名をCamponotus friedaeと同定したことでようやく本来の所属であるアメイロオオアリ亜属Tanaemyrmexに落ち着いたわけだが、この論文中でもミヤコオオアリの1994年の日本初出はTanaemyrmex亜属で掲載されたことになっている(Terayama, 1999)。それに加えてデータベース2003年版では、素データのミスからまたもや1994年当時のウメマツオオアリ亜属へと移動されたことでさらに混乱を生じさせてしまった。本改訂ではミヤコオオアリが本来所属するアメイロオオアリ亜属へと戻すことでこれを修正した。  
 土中や石下に営巣する。日本ではややまれな種である。  
 
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文 献
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追加引用文献:
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  アリ類データベース作成グループ (1995) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.
    
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  アリ類データベース作成グループ (1998) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.
    
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  アリ類データベース作成グループ (2003a) 日本産アリ類全種図鑑. 学研, 東京.
    
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  アリ類データベース作成グループ (2003b) 日本産アリ類画像データベース. アリ類データベース作成グループ, 仙台.
    
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  Emery, C. (1925) Hymenoptera. Fam. Formicidae. Subfam. Formicinae, Brussels.
    
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  Forel, A. (1914) Le genre Camponotus Mayr et les genres voisins. Revue Suisse de Zoologie, 22: 257-276.
    
 - 
  Japanese Ant Database Group (2003) Ants of Japan. GAKKEN, Tokyo.
    
 -   寺山 守 (1998) "日本産蟻類の検索と解説I、II、III" 以降の学名変更種一覧. 蟻, 22: 13-18.
    
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  寺山 守 (2004) 日本産有剣膜翅類目録. Memoirs of the Myrmecological Society of Japan, 2: 1-123.
    
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  Terayama, M. (1999) The ant genus Camponotus Mayr (Hymenoptera: Formicidae) in Japan. Memoirs of the Myrmecological Society of Japan, 1: 25-48.
    
 -       寺山 守 & 木原 章 (1994) 日本産アリ類県別分布図. 日本蟻類研究会, 東京.
 
               
    
 
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担当者
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 吉村正志(2008改訂)、寺山 守(〜2003) 
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