family

アリ科

subfamily

ヤマアリ亜科

genus

ケアリ属

subgenus

クサアリ亜属


ITIS

 

Lasius fuji

Hymenoptera On-Line

 

Lasius fuji

FORMIS

 

Lasius fuji


English
2003年英語版に
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クロクサアリ

Lasius fuji


学 名

Lasius fuji

原著論文

Radchenko, A. (2005) A review of the ants of the genus Lasius Fabricius, 1804, subgenus Dendrolasius Ruzsky, 1912 (Hymenoptera: Formicidae) from East Palaearctic. Annales Zoologici, 55: 83-94.

シノニム

Lasius fuji Radchenko, 2005.
Lasius fuliginosus: 日本蟻類研究会, 1988, 1991; 寺山&木原, 1994.
クロアリ: 松村, 1898.
クサアリ: 太田, 1931.
Lasius nipponensis: Espadaler et al., 2001; アリ類データベース作成グループ, 2003a, 2003b; Japanese Ant Database Group 2003.

解 説

 働きアリの体長4.0〜5.0 mm,漆黒色。腹柄節の先端部分は側方から見て逆U字型。前方から見て背縁中央はへこむ。雌アリの触角柄節に立毛はなく,伏毛でおおわれる。中胸背板には多くの立毛が見られる。腹柄節は側方から見て逆U字型を示す。
 本亜属の中ではクサアリモドキとともに最も良く見られ,アメイロケアリ亜属の種に一次的社会寄生を行う。関東地方ではヤノクチナガオオアブラムシ (Stomaphis yanonis) やクヌギクチナガオオアブラムシ (Stomaphis quercus japonica ) の甘露を定常的な餌源にしている (久保田, 1988)。結婚飛行は6〜7月に行われる。
 本種には長らくL. fuliginosusの学名が適応されてきたが、Espadalerら(2001)によって欧州の個体群と東アジアの個体群は別種であることが示された。しかし、彼らによる本種へのL. nipponensis という学名の適用はタイプ標本を参照しておらず、後にL. nipponensisは本種とは別種であると判明したためRadchenko (2005)により改めてL. fujiとして記載された。

 丸山(2005)は、本種とL. fuliginosusの形態差が小さいことから両種の独立性に依然検討の余地があることを示唆している。


分 布

北海道,本州,四国,九州;朝鮮半島,極東ロシア

文 献

  • Essai sur l'Histoire des Fourmis de la France: 50 pp. Brive.
  • Die Europ格schen Formiciden. (Ameisen.): 80 pp. Wien.
  • Quelques fourmis de Tokio. Annales de la Soci師? Entomologique de Belgique 56: 339-342.
  • Kubota, S. (1988). The foraging activity of the ant of Dendrolasius: About securing of the food resources. . Abstr. of 48th Annual Meeting Ent. Soc.Japan, 43.
  • 松村松年 (1898). 蟻科.日本昆虫学,207-209. 裳華房.
  • 太田幸好 (1931). 岐阜県産蟻類目録. 昆虫世界 35: 85-89, 115-120.

    追加引用文献:

  • アリ類データベース作成グループ(2003a)日本産アリ類画像データベース 2003.アリ類データベース作成グループ,仙台.

  • アリ類データベース作成グループ(2003b)日本産アリ類全種図鑑. 学研.

  • Espadaler, X., T. Akino & M. Terayama (2001) Taxonomic status of the ant Lasius nipponensis Forel, 1912 (Hymenoptera, Formicidae). Nouv. Revue Ent. (N. S.), 18: 335-341.

  • Japanese Ant Database Group(2003)Ants of Japan. Gakken.

  • Maruyama, M. (2005) A new synonym in the subgenus Dendrolasius of the genus Lasius (Hymenoptera, Formicidae, Formicinae). Bull. Natn. Sci. Mus. Tokyo, Ser. A, 31: 115-117.

  • 丸山宗利 (2005) 日本産クサアリ亜属における最近の学名の変更. 蟻, 27: 25-27.

  • 日本蟻類研究会編(1988)日本産アリ類和名一覧.

  • 日本蟻類研究会編(1991)日本産アリ類の検索と解説(II)カタアリ亜科,ヤマアリ亜科.

  • Radchenko, A. (2005) A review of the ants of the genus Lasius Fabricius, 1804, subgenus Dendrolasius Ruzsky, 1912 (Hymenoptera: Formicidae) from East Palaearctic. Annales Zoologici, 55: 83-94.

  • 寺山守・木原章(1994)日本産アリ類県別分布図.日本蟻類研究会.

担当者

吉村正志(2008改訂)、寺山 守・山内克典(〜2003)