2003年英語版に ジャンプします。
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原著論文
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Emery, C. (1870) Studi mirmecologici. Bullettino della Societ? Entomologica Italiana 2: 193-201.
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シノニム
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Leptomesites Kutter, 1948
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解 説
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非常に微小なアリで,働きアリの多くは体長1 mm前後。体色は黄褐色から赤褐色で,細長く偏平な体型をしている。複眼は消失する。額隆起縁はなく,触角の基部は裸出する。触角は12節で柄節は太く短く,頭部後縁には達しない。前中胸縫合線は明瞭に認められる。腹柄節は柄部をもたない。働きアリは腹柄は2節で,明瞭な後腹柄節をもつ。しかし雌アリや雄アリでは腹柄は1節で後腹柄節は形成されない。雌アリははじめから翅をもたず,胸部は働きアリ同様退化融合が著しい。雄アリは小型で,翅脈はほとんど退化し,前縁脈のみが残る。
触角を細かく振動させながら動く。土中に生息し,グンタイアリやサスライアリ同様放浪性の生活をおくるといわれているが,野外での詳しい生態はほとんど未知である。Masuko (1989) はヤマトムカシアリ L. japonica のコロニーを,小型のジムカデ類を餌として与えて飼育したと報告している。野外でもムカシアリ類がこれら小型の土壌性節足動物を捕食していることが台湾から記載されたL. taiwanensis について観察された (Ogata et al., 1995)。
日本では記載種5種の他,沖縄より未記載の1種が知られている。Ogata et al. (1995) は種名不詳だが2種のオスを記載した。いずれも,採集例が少なく分布は限られている。
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文 献
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- Kutter, H. 1948. Beitrag zur Kenntnis der Leptanillinae (Hym. Formicidae). Eine neue Ameisengattung aus S歸-Indien. Mitt. Schweiz. Entomol. Ges., 21: 286-295.
- Masuko, K. (1989). Larval hemolymph feeding in the ant Leptanilla japonica by use of a specialized duct organ, the ""larval hemolymph tap"" (Hymenoptera: Formicidae). . Behav. Ecol. Sociobiol., 24, 127-132.
- Ogata, K., Terayama, M. & Masuko, K. (1995). The ant genus Leptanilla: discovery of the worker-associated male of L. japonica, and a description of a new species from Taiwan (Hymenoptera: Formicidae: Leptanillinae). Systematic Entomology, 20: 27-34.
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