family

アリ科

subfamily

フタフシアリ亜科

genus

クシケアリ属


ITIS

 

Myrmica onoyamai

Hymenoptera On-Line

 

Myrmica onoyamai

FORMIS

 

Myrmica onoyamai


English
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オノヤマクシケアリ

Myrmica onoyamai


学 名

Myrmica onoyamai

原著論文

Radchenko, A., Elmes, G. W. & Alicata, A. (2006) Taxonomic revision of the schencki-group of the ant genus Myrmica Latreille (Hymenoptera: Formicidae) from the Palaearctic Region. Annales Zoologici, 56: 499-538.

 

シノニム

Myrmica onoyamai Radchenko & Elmes, 2006.
オノヤマクシケアリ : 吉村ら, 2008.

解 説

 ほぼ単褐色で、頭部と膨腹部がいくぶん暗色、付属肢は明色。触角柄節は基部で急激に曲がり、屈曲部は垂直に隆起縁で縁取られるが、エゾクシケアリMyrmica jessensisよりもその縁取りは弱い。触角柄節は屈曲部の先で幾分細くなるがその太さの差は小さい。額隆起縁の発達は相対的に弱い。後胸溝は浅い。前伸腹節刺はまっすぐで長く、基部に向かって幅が広がる。腹柄節丘部の発達はエゾクシケアリに比べて弱く,側面から見たときに腹柄節の丘部の頂点はよりなだらかで,前縁の立ち上がりは弱く,腹柄節柄部の背縁とほぼ直線状に接続する。(エゾクシケアリでは頂点がより鋭く,特に丘部前縁の立ち上がりが強いため腹柄節丘部の基部で凹んでいるように見えることが多い)。後腹柄節(腹部第3節)は側面から見て縦長だがキタクシケアリMyrmica sp. 8ほど短くはない。雄の触角柄節は短く、その長さは頭幅の半分に達しないとされる。
 山梨県から採集されたコロニーを基に2006年に記載され、今回の改訂でデータベースに初掲載となる。クシケアリ属のschencki 種群 (Radchenko, 1994)では日本で初記録。触角柄節基部の特徴がエゾクシケアリとキタクシケアリに似るが、前者とはその屈曲部の基部に見られる縁取りが弱いことと腹柄節の形状の違いで、後者とは後腹柄節の長さの違いと後胸溝の深さの違いで見分けられる。
 本種はカドクシケアリMyrmica sp. 7に酷似しており、将来的には M. onoyamai がカドクシケアリとなる可能性がある。しかし、今のところカドクシケアリとの分類学的な関係の検討が不十分であるため、現状では別の種として挙げておく。


分 布

本州(山梨県)

文 献
  • Radchenko, A. G. (1994) Taxonomic structure of the ant genus Myrmica (Hymenoptera, Formicidae) of Eurasia. Report 1. [in Russian]. Zoologicheskii Zhurnal, 73: 39-51.
  • 吉村 正志, 久保田 政雄, 小野山 敬一 & 緒方 一夫 (2008) 日本産蟻類データベース2003年版以降の変更点. 蟻, 31.

担当者

吉村正志・小野山敬一(2007)