クロコツブアリ

学　名

Brachymyrmex sp. 1

Brachymyrmex sp. : 村上, 2002; 寺山, 2004.
クロコツブアリ：吉村ら, 2008.

　体長約1.5mmの比較的小型のアリ。体色は暗褐色で単色。頭部は幅が広いが頭盾中央部が大きく前方、つまり大アゴの背面に張り出すためわずかに縦長。不明瞭ながら単眼を有する。触角節数は９節。触角柄節は顕著に頭部後縁を越え、ほぼ触角第２節の長さと同じだけはみ出す。頭部後方には一対の立毛を持つ。胸部や腹柄節、前伸腹節に刺や突起などはない。前伸腹節は薄く後胸溝は側面から見て不明瞭。前胸背面に２対、中胸背面に１対の立毛を持つが、前伸腹節背面には立毛はない。腹柄節は鱗片状だが非常に低く、前方に傾いており、横から見て背方が急激に狭まる。膨腹部第一節は腹柄節に覆い被さる。膨腹部各節の背面に立毛を持つ。脚の各節に立毛はない。全体に彫刻は弱く、むしろ光沢がある。

　村上(2002)により神戸市ポートアイランドから報告されたが、データベース2003年版等(アリ類データベース作成グループ, 2003a, b; Japanese Ant Database Group, 2003)には掲載されなかった。貿易に伴い国外から侵入したと思われる。今後、本属の他種が侵入した場合の混乱を避けるため、上記報告の際採集されたコロニーをBrachymyrmex sp. 1の基準標本（写真）とし、標本は九州大学熱帯農学研究センターに所蔵される。

兵庫県 (村上, 2002))