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アリ科

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フタフシアリ亜科


下位のタクソン

タカネムネボソアリ


 



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タカネムネボソアリ属

Leptothorax


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学 名

Leptothorax

原著論文

Mayr, G. (1855) Formicina austriaca. Beschreibung der bisher im 嘖terreichischen Kaiserstaate aufgefundenen Ameisen nebst Hinzuf殀ung jener in Deutschland, in der Schweiz und in Italien vorkommenden Ameisen. Verhandlungen des Zoologisch-Botanischen Vereins in Wien 5: 273- 478.

シノニム

Leptothorax Mayr, 1855.
Leptothorax : Bolton, 2003: 緒方ら, 2005.
Leptothorax (一部) : 日本蟻類研究会, 1988, 1992; 寺山守&木原章, 1994; アリ類データベース作成グループ, 1995, 1998, 2003a, 2003b; Japanese Ant Database Group, 2003.
タカネムネボソアリ属 : 緒方ら, 2005.
ムネボソアリ属(一部): 寺西, 1929.
イエアリ属(一部): 寺西, 1944.

解 説

 働きアリは小型で単型のアリ。大あごにはふつう5歯,まれに6歯を備え,基部に近づくにつれて小さくなる。PFは5, 3。頭盾の中央部は広く,額葉の間に広くのびる。頭盾の前縁中央部は,一様に凸状のものから強く丸い突出部をもつものまで変化する。頭盾中央部に走る隆起縁はない。額隆起縁は短く,まれに狭い額葉の終端から後方へのびるかすかで細い線になっている。触角は11節で,先端の3節は顕著なこん棒部を形成する。複眼は中ないし大型で,頭部側面の1/2のところか少し前方に位置する。後胸葉は丸く,ふつう小さい。前胸の前側部の角は,丸いものから歯状になるものまである。後胸溝はないものから深く刻印されるものまで変化する。前伸腹節にはふつう1対の歯か刺を備えるが,まれに欠くこともある。体毛はふつう短く太く鈍い毛であるが,ときには欠いたり長い場合がある。雄アリでは大あごが縮小し、触角は12節で棍棒部を形成せず線状。触角節数と頭盾の隆起縁の消失、そして雄アリの形態の差でムネボソアリ属と見分けることが出来る。
 Bolton (2003)により、従来ムネボソアリ属LeptothoraxとされていたものはLeptothorax, Temnothorax, そしてNesomyrmexという3つの属に分割再編された。日本の種ではタカネムネボソアリLeptothorax acervorumのみがLeptothorax属に残り、残りはすべてTemnothorax属に移動された。この措置に伴い、ムネボソアリ属を担名していたムネボソアリもTemnothorax属に移されてしまったため、緒方ら(2005)は和名の「ムネボソアリ属」をTemnothoraxに対して使うこととし、新しいLeptothorax属には「タカネムネボソアリ属」という和名を用いることを提案した。本改訂ではこの提案に従って属和名の変更を行なう。
 世界で20種ほどが記載されており、日本にはタカネムネボソアリ一種のみが生息する。


文 献
  • Myrmecological Society of Japan, Editorial Committee (ed.) (Ed.). (1988). A list of the ants of Japan with common Japanese names. The Myrmecological Society of Japan, Tokyo.
  • Formicina austriaca. Beschreibung der bisher im 嘖terreichischen Kaiserstaate aufgefundenen Ameisen nebst Hinzuf殀ung jener in Deutschland, in der Schweiz und in Italien vorkommenden Ameisen. Verhandlungen des Zoologisch-Botanischen Vereins in Wien 5: 273-478.
  • Teranishi, C. (1929a. ). Japanese ants, their behavior and distribution (I). . Zool. Mag. Tokyo, 41, 239-251. .
  • 寺西 暢 (1944). 日本産二節蟻亜科に就きて(大正九年東京農業大学卒業論文).30 pp. 戸沢信義編・発行.



    追加引用文献:
  • アリ類データベース作成グループ(1995)日本産アリ類画像データベース.日本蟻類研究会, 東京.
  • アリ類データベース作成グループ(1998)日本産アリ類画像データベース.日本蟻類研究会, 東京.
  • アリ類データベース作成グループ(2003a)日本産アリ類画像データベース 2003.アリ類データベース作成グループ, 仙台.
  • アリ類データベース作成グループ(2003b)日本産アリ類全種図鑑. 学研.
  • Bolton, B. (2003) Synopsis and classification of Formicidae. Memoirs of the American Entomological Institute 71: 1-370.
  • Japanese Ant Database Group(2003)Ants of Japan. Gakken.
  • 日本蟻類研究会編(1992)日本産アリ類の検索と解説(III)フタフシアリ亜科,ムカシアリ亜科(補追).
  • 緒方一夫, 久保田政雄, 吉村正志, 久保木謙 & 細石真吾(2005)アリ類の分類体系 -ボルトンによる最近の変更より-. 蟻, 27: 13-24.
  • 寺山守・木原章(1994)日本産アリ類県別分布図.日本蟻類研究会.
担当者

吉村正志(2007改訂)、寺山 守・小野山敬一・森下正明(〜2003)