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キバオレウロコアリ
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Pyramica morisitai |
原著論文
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Ogata, K. & Onoyama, K. (1998) A revision of the ant genus Smithistruma Brown of Japan, with descriptions of four new species (Hymenoptera: Formicidae). Entomological Science 1: 277-287.
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シノニム
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Smithistruma morisitai Ogata & Onoyama, 1998,
Pyramica morisitai (Ogata & Onoyama): Bolton, 1999
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解 説
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体長1 mm強。体色は褐色がかった黄色。大あごは長く,頭盾前縁からの長さは頭盾の長さとほぼ同じ。特異な形をしている。大あごの背面は先端から約1/3のところで背方に角ばり,側方から見て約120度の角度をつくる。角ばった部分より先端部の背面は側方から見て少しへこみ,背方から見て閉じた両大あごの内側には隙間がある。また基部においても閉じた両大あご間には隙間があり,頭盾の前方部はその間に入る。大あごの下縁は側方から見て腹方へなだらかに曲がる。触角は6節で,柄節は偏平で基部1/3で最も太く,その頂点は角ばる。先端節は長く,柄節の長さや先端節以外のべん状部の長さとほぼ同じ。頭部は厚く細長く,長さは幅の約2倍。頭盾は細長く,前縁は前方に湾曲する。頭盾前縁の中央部には Asketogenys が備えるような針状の突起はない。複眼は小さく,2〜3個の黒い個眼からなる。胸部は短く,ノコバウロコアリ Pyramica incerta に類似する。前胸肩部は角ばらない。胸部背面部はゆるやかな弧を描く。前伸腹節斜面部の両側面全体には透明な薄板の付属物がつき,その上端部分は少し針状になる。腹柄のスポンジ状付属物はふつうに発達している。体全体は細長い鱗状の伏毛でおおわれる。
まれで,採集例は2例しかない。やや開けた環境の石下で見いだされている。
本種は日本蟻類研究会 (1988, 1992) において,属不明とされていた。Onoyama (1976) の "unnamed new genus?" に相当する。特徴的な大あごの形状がBrown (1972) によって記載された一属一種のAsketogenys 属にいくらか似るが,歯や頭
盾,胸部や毛の形態が異なる。
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分 布
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沖縄本島(国頭郡東[安部琢哉],名護[高嶺英恒])
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文 献
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- A revision of the ant genus Smithistruma Brown of Japan, with descriptions of four new species (Hymenoptera,Formicidae). Entomological Science 1: ***-***.
- Bolton, B. 1999. Ant genera of the tribe Dacetonini (Hymenoptera: Formicidae). J. Nat. Hist., 33: 1639-1689.
- Myrmecological Society of Japan, Editorial Committee (ed.) (Ed.). (1988). A list of the ants of Japan with common Japanese names. The Myrmecological Society of Japan, Tokyo.
- Myrmecological Society of Japan, Editorial Committee (ed.) (1992). A guide for the identification of Japanese ants (III). Myrmicinae and supplement to Leptanillinae (Hymenoptera: Formicidae). The Myrmecological Society of Japan, Tokyo.
- Onoyama, K. (1976). A preliminary study of the ant fauna of Okinawa-Ken, with taxonomic notes. (Japan: Hymenoptera: Formicidae). . Ecol. Stud. Nat. Cons. Ryukyu Isl., 2, 121-141.
- Brown, W. L., Jr., 1972
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