2003年英語版に ジャンプします。
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カドフシアリ
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Myrmecina nipponica |
原著論文
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Wheeler, W.M. (1906c) The ants of Japan. Bulletin of the American Museum of Natural History 22: 301-328.
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解 説
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体長3 mm。体色は黒色で,胸部側面,腹柄節,後腹柄節は赤褐色,脚,触角,大あごは黄色から黄褐色。複眼は比較的大きく,長径は触角第10節の長さ以上で,10個以上の個眼からなる。触角柄節の頭蓋との関節球は一部が裸出している。頭盾前縁の中央に一つの小突起をもつが,発達の程度には変異がある。前伸腹節刺は上方に向かって多少とも湾曲する。腹柄節下部突起は不明瞭。頭部および胸部背面のしわは縦走するが多少とも不規則で,しわの間は滑らかで光沢がある。後頭隆起の腹面の延長線と複眼の間はしわがほとんどなく,平滑で光沢がある。
カドフシアリはヨーロッパ産のgraminicola の亜種として記載されたが、原名亜種とは頭盾前縁や前伸腹節刺の形状,胸部背面のしわの様子が明らかに異なるとしてOnoyama (1996) により、種のランクへと格上げされた。中国産のsinensis についてはgraminicola の亜種のまま残されているが、日本産のカドフシアリとの関係や分類学上の位置については,今後さらに検討が必要であろう。
照葉樹林や落葉樹林の林内に生息し,土中や石下,落枝中などに営巣する。
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分 布
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北海道,本州,四国,九州,屋久島;朝鮮半島
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