family

アリ科

subfamily

フタフシアリ亜科

genus

ヨコヅナアリ属


ITIS

 

Pheidologeton diversus

Hymenoptera On-Line

 

Pheidologeton diversus

FORMIS

 

Pheidologeton diversus


English
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ヨコヅナアリ

Pheidologeton diversus


学 名

Pheidologeton diversus

原著論文

Jerdon, T.C. (1851) A catalogue of the species of ants found in southern India. Madras Journal of Literature and Science 17: 103-127.

シノニム

Ocodoma diversa Jerdon (Jerdon, 1851) , Pheidologeton diversus (Jerdon) (Roger, 1863) ,

解 説

小型働きアリの体長2.5 mm。体色は黄褐色から赤褐色。頭部は縦長の長方形で,後縁は弱くへこむ。大あごに5歯を備える。触角柄節は比較的短く,頭部後縁を越えない。触角第10, 11節は長く,これら2節の長さの和は,残りのべん節の長さの総和よりも長い。前・中胸背縁は側方から見て強く弧をえがき,後胸溝は明瞭に刻みつけられる。前伸腹節背縁も弧をえがき,前伸腹節突起は刺状で長く,先端は鋭く尖る。
大型働きアリは体型に比して頭部が著しく発達する。体色は赤褐色から黒褐色。頭部はほぼ正方形で,後縁中央部はへこむ。頭盾前縁は直線状で中央部は弱くへこむ。大あごは発達し,3角形。先端の歯は鋭く尖るが,そしゃく縁には歯を欠く。複眼は比較的小さく,単眼をもつ。触角柄節の長さは頭幅の約1/2。腹柄節下部突起が見られる。
小型働きアリと大型働きアリの間には,サイズ,形態が中間的な個体が何段階にもわたって見られる。小型働きアリと大型働きアリとでは,頭幅で10倍,乾燥重量で500倍以上もの差がある (Moffett, 1987)。サイズの相違によって働きアリ間で分業が行われ,さらに小型働きアリでは羽化後間もない個体は幼虫の世話等をよく行い,古い個体になるとより多くの種類の仕事を行なうという日齢による分業も見られる (Moffett, 1987)。大きいコロニーをつくり,土中や石下に営巣する。また顕著なアリ道を作り,多くの働きアリがそこを行き交う。アリ道は土で天井をつくりトンネルにすることも多い。このアリ道を利用して昆虫等の小動物を捕える (Moffett, 1986)。捕食性が強い種であるが,甘露も好むようである。
インドから東南アジアを経て台湾にまで広く分布しており,日本では南西諸島 (沖縄本島) と小笠原諸島 (父島) からの記録があるほか,東南アジアから貨物とともに人為的に運ばれて来たものが神奈川県座間市の米軍基地から発見されている (久保田, 1988)。 

分 布

南西諸島(沖縄本島),小笠原諸島(父島);熱帯・亜熱帯アジア

文 献

  • Kubota, S. (1988). The foraging activity of the ant of Dendrolasius: About securing of the food resources. . Abstr. of 48th Annual Meeting Ent. Soc.Japan, 43.
  • Moffett, M. W. (1987). Division of labor and diet in the extremely polymorphic ant Pheidologeton diversus. . Natn. Geogr. Res., 3, 282-304.
  • Moffett, M. W. (1986). Marauders of the jungle floor. . Natn. Geogr., 170, 73-286.
  • A catalogue of the species of ants found in southern India. Madras Journal of Literature and Science 17: 103-127.
  • Die neu aufgef殄rten Gattungen und Arten meines Formiciden-Verzeichnisses, nebst Erg穫zung einiger fr殄er gegeben Beschreibungen. Berliner Entomologische Zeitschrift 7: 131-214.

担当者

寺山 守