2003年英語版に ジャンプします。
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イバリアリ
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Strongylognathus koreanus |
学 名
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Strongylognathus koreanus
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原著論文
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Pisarski, B. (1966) Etudes sur les fourmis du genre Strongylognathus Mayr. Annales Zoologici 23: 509-523.
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解 説
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働きアリの体長3mm。体色は黄褐色。頭部は四角形で,長さが幅の約1.1倍。頭部後縁はほぼ水平で,わずかに中央部がへこむ程度。頭盾の前縁はゆるやかに弧をえがく。触角柄節は短く,頭幅の約0.7倍の長さ。側方から見て中胸背縁はほぼ直線状で,前伸腹節背縁はゆるやかに弧をえがく。また前伸腹節の後側縁には小さな鈍い突起をもつ。腹柄節は側方から見て3角形で,柄部は短い。腹柄節下部突起は低く,下縁前端が角ばる。背方から見て後腹柄節は腹柄節よりも幅広く,また幅が長さの1.45倍。頭部は額隆起縁から複眼の周辺にかけてしわが見られるが,残りの部分は平滑で光沢をもつ。頭部,胸部,腹柄節,後腹柄節の各背面および腹部には剛毛が比較的まばらに分布する。雌アリの体長は約7 mm。体色は褐色で,働きアリと同様に顕著な鎌状の大あごをもつ。
ごくまれな種で,山梨県増富温泉 (中野, 1938) と岡山県鷲羽山 (Collingwood, 1976) からの2例の記録しかない。いずれもトビイロシワアリの巣中から得られている。日本産のものは長らく種名が確定されなかったが,近年 Terayama (1988) によって山梨県産のものが朝鮮半島から記載された S. koreanusと同一種と判断された。本種は朝鮮半島においても模式産地のMyohyangと蛇梁島 (Kim et al., 1989) の2例の採集記録しかない。
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分 布
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本州(山梨県増富,岡山県鷲羽山);朝鮮半島
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文 献
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- 中野, 1938
- Collingwood, C. A. (1976). Ants (Hymenoptera, Formicidae) from North Korea. . Ann. Hist. Nat. Mus. Hung., 68, 295-309.
- Terayama, M. (1988). A record of the social parasitic ant Strongylognathus koreanus Pisarski, 1965 (Hymenoptera, Formicidae) from Japan. . Kontyu , 56, 458.
- Kim, K.-i, C.-h. Kim & B.-m. Choi (1989). The ant fauna of the southern shore in Gyeongsangnamdo, Korea. . J. Gyeongsang Nat. Univ., 28, 213-226. .
- Pisarski, B. (1966). Etudes sur les fourmis du genre Strongylognathus Mayr (Hymenoptera, Formicidae). . Ann. Zool. Warszawa, 23, 509-523.
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