family

アリ科

subfamily

フタフシアリ亜科

genus

ハダカアリ属


ITIS

 

Cardiocondyla wroughtonii

Hymenoptera On-Line

 

Cardiocondyla wroughtonii

FORMIS

 

Cardiocondyla wroughtonii


English
2003年英語版に
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ウスキイロハダカアリ

Cardiocondyla wroughtonii


学 名

Cardiocondyla wroughtonii

原著論文

Forel, A. (1890) Aenictus-Typhlatta de´couverte de M. Wroughton. Nouveaux genres de formicides. Annales de la Socie´te´ Entomologique de Belgique. Comptes-rendus 34: cii-cxiv.

シノニム
 

Emeryia wroughtonii Forel, 1890.
Cardiocondyla wroughtonii: Forel, 1892.
[以下の文献中のC. wroughtoniiは除く : 日本蟻類研究会, 1992; 寺山守&木原章, 1994; アリ類データベース作成グループ, 1995, 1998, 2003a, 2003b; Japanese Ant Database Group, 2003.]
ウスキイロハダカアリ: 日本蟻類研究会, 1992.
Cardiocondyla sp. 5: 日本蟻類研究会, 1992; 寺山守&木原章, 1994; アリ類データベース作成グループ, 1995, 1998.
Cardiocondyla yamauchii Terayama, 1999.
Cardiocondyla yamauchii: アリ類データベース作成グループ, 2003a, 2003b; Japanese Ant Database Group, 2003.

解 説

体長1.5-2 mm.腹部を含めて体全体が黄色で,腹部に1対の褐色斑がある.触角柄節は前方から見て頭部後縁に達しない.後胸溝は背面で明瞭に刻みつけられる.前伸腹節刺は細長く針状.キイロハダカアリに酷似するが,体色は安定しており,これによって区別される.雄にはキイロハダカアリ同様2型あり,無翅雄は鎌状の大あごをもつ。

 検索と解説(III)(日本蟻類研究会, 1992)で、キイロハダカアリに酷似しながら腹部の色のパターンの違う沖縄島北部の個体群を別種として区別し、ウスキイロハダカアリという和名を与えてC. sp. 5として取り扱ったのが本種の初出である。これ以降の県別分布図(寺山守&木原章, 1994)、データベース1995年版および1998年版(アリ類データベース作成グループ, 1995, 1998)ではこの措置に従い、学名未決定種として掲載している。
 Terayama(1999)はそれまでC. sp. 5とされていたウスキイロハダカアリをC. yamauchiiとして記載し、それを受けてデータベース2003年版(アリ類データベース作成グループ, 2003a)や図鑑(アリ類データベース作成グループ, 2003b; Japanese Ant Database Group, 2003)ではウスキイロハダカアリC. yamauchiiとしてそれぞれ掲載された。
 しかしSeifert(2003)はウスキイロハダカアリC. yamauchiiのタイプ標本を検討し、計測値を含む形態で他の地域のC. wroughtoniiと違いがないとしてC. yamauchiiC. wroughtoniiのシノニムとした。ただし、この論文中で同時にSeifertはこれまでC. wroughtoniiとされてきた日本のキイロハダカアリはCardiocondyla obscuriorの誤同定であるとしたため、和名と学名との対応関係においてはこの時点でC. wroughtoniiという学名がキイロハダカアリからウスキイロハダカアリへと移った形になる。このことから、2003年まで国内においてキイロハダカアリC. wroughtoniiと呼ばれたものとこれ以降のウスキイロハダカアリC. wroughtoniiとは別の種であることに注意する必要がある(キイロハダカアリも併せて参照されたい)。

 草地や林縁の枯れたススキの空洞部に営巣する。これまでに沖縄本島の北部からのみ得られている。 

分 布

沖縄本島

文 献

  • Terayama, M. (1999). Taxonomic studies of the Japanese Formicidae, Part 6. Genus Cardiocondyla Emery. Memoirs of the Myrmecological Society of Japan 1: 99-107.

    追加引用文献:

  • アリ類データベース作成グループ(1995)日本産アリ類画像データベース.日本蟻類研究会, 東京.

  • アリ類データベース作成グループ(1998)日本産アリ類画像データベース.日本蟻類研究会, 東京.

  • アリ類データベース作成グループ(2003a)日本産アリ類画像データベース 2003.アリ類データベース作成グループ, 仙台.

  • アリ類データベース作成グループ(2003b)日本産アリ類全種図鑑. 学研.

  • Japanese Ant Database Group(2003)Ants of Japan. Gakken.

  • 日本蟻類研究会編(1992)日本産アリ類の検索と解説(III)フタフシアリ亜科,ムカシアリ亜科(補追).

  • Seifert, B. (2003) The ant genus Cardiocondyla (Insecta: Hymenoptera: Formicidae) - a taxonomic revision of the C. elegans, C. bulgarica, C. batesii, C. nuda, C. shuchardi, C. stambuloffii, C. wroughtonii, C. emeryi, and C. minutior species groups. Annalen des Naturhistorisches Museums in Wien, 104: 203-338.

  • 寺山守・木原章(1994)日本産アリ類県別分布図.日本蟻類研究会.

担当者

吉村正志(2008改訂)、寺山 守・山内克典・森下正明(〜2003)