family

アリ科

subfamily

フタフシアリ亜科

genus

ムネボソアリ属


ITIS

 

Temnothorax spinosior

Hymenoptera On-Line

 

Temnothorax spinosior

FORMIS

 

Temnothorax spinosior


English
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ハリナガムネボソアリ

Temnothorax spinosior


学 名

Temnothorax spinosior

原著論文

Forel, A. (1901) Varie´te´s myrme´cologiques. Annales de la Socie´te´ Entomologique de Belgique, 45: 334-382.

シノニム

Leptothorax congruus var. spinosior Forel, 1901.Leptothorax (Leptothorax) congruus var. spinosior: Emery, 1922.
Leptothorax (Myrafant) congruus var. spinosior: Onoyama, 1980.
Leptothorax congruus var. spinosior : 日本蟻類研究会, 1988.
Leptothorax spinosior : Terayama & Satoh, 1990.
Leptothorax spinosior : 日本蟻類研究会, 1992; 寺山 & 木原, 1994; アリ類データベース作成グループ, 1995, 1998, 2003a, b; Japanese Ant Database Group, 2003.
Temnothorax spinosior : Bolton, 2003; 寺山, 2004.
ハリナガムネボソアリ : 河野&杉原, 1939.
ハリムネナガアリ: 寺西, 1940.
ハリナガイエアリ:寺西, 1944.
ハリブトムネボソアリ: 東, 1950.
ムネボソアリ: 林田, 1963.

解 説

体長2 mm。体色は黒色から黒褐色。触角柄節は頭部後縁にほぼ達する。胸部背縁は前胸から前伸腹節後端にかけて一様の弧をえがく。後胸溝はやや明瞭に刻みつけられる。前伸腹節刺は長く針状。腹柄節の丘部は側方から見て3角形で,後縁は通常弱く丸みをおびる。個体によっては後縁の後方部が角ばるものがある。
草地や河川敷などの乾燥した場所に生息し,土中に営巣する。地上徘徊性で樹上にはほとんど登らない。女王のサイズに2型あり,大型の女王は単女王性,小型の女王は多女王性の巣に見られる (Hamaguchi & Kinomura, 1996)。羽アリの飛び出しは7月頃のようである (園部, 1980)。染色体数は2n=24 (Imai & Yosida, 1965)。

 本種は、和名一覧(日本蟻類研究会, 1988)にはLeptothorax congruus(現ムネボソアリ)のバラエティーとして掲載されている。その後Terayama & Satoh (1990)が種に昇格させ、それ以来データベース2003年版(アリ類データベース作成グループ, 2003b)までハリナガムネボソアリLeptothorax spinosiorとして扱われてきた。今回の改訂では、Bolton(2003)による分類体系の改訂に従い本種はTemnothorax属に配置され、ハリナガムネボソアリTemnothorax spinosiorとなった。ムネボソアリ属の分類学的な改訂については属のページおよび緒方ら(緒方ら, 2005)に解説されている。

 従来の報告で本種とされているものの中には,本種以外の種が含まれている場合があると思われる。

分 布

北海道,本州,四国,九州,屋久島;朝鮮半島

文 献

  • Sonobe, R. (1980a. ). Ants living in gardens (1) - Ants creaping on the ground-. . Insect (Kontyu-Aiko-Kai, Tochigi-ken), 31(1), 1-9. .
  • Imai & Yosida, 1965
  • Vari師市 myrm残ologiques. Annales de la Soci師? Entomologique de Belgique 45: 334-382.
  • Teranishi, C. (1940). Works of Cho Teranishi. Memorial Volume (ed. by Nobuyoshi Tozawa) and Post humous section. , 312.
  • Hayashida, K. (1963). Some analytical procedures on the ecological distribution of ants. . J. Sapporo Otani Junior College, 1, 1-26. .
  • Emery, C. (1922). Hymenoptera, fam. Formicidae, subfam. Myrmicinae. . In P. Wytsman, ed., ""Genera Insectorum"", fasc. , 174B-C, 95-397, .
  • Hamaguchi, K. and K. Kinomura (1996). Queen-size dimorphism in the facultatively polygynous ant Leptotohrax spinosior (Hymenoptera: Formicidae). Sociobiologiy 27: 241-251.
  • Onoyama, K. (1980). An introduction to the ant fauna of Japan, with a check list (Hymenoptera, Formicidae). . Kontyu, 48, 193-212.
  • Terayama, M. & T. Satoh (1990b. ). Taxonomic notes on two Japanese species of Formicidae (Hymenoptera). . Jpn. J. Ent., 58, 532.
  • 寺西 暢 (1944). 日本産二節蟻亜科に就きて(大正九年東京農業大学卒業論文).30 pp. 戸沢信義編・発行.



    追加引用文献:
  • アリ類データベース作成グループ (1995) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.
  • アリ類データベース作成グループ (1998) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.
  • アリ類データベース作成グループ (2003a) 日本産アリ類全種図鑑. 学研, 東京.
  • アリ類データベース作成グループ (2003b) 日本産アリ類画像データベース. アリ類データベース作成グループ, 仙台.
  • Bolton, B. (2003) Synopsis and classification of Formicidae. Memoirs of the American Entomological Institute: 1-370.
  • Japanese Ant Database Group (2003) Ants of Japan. GAKKEN, Tokyo.
  • 日本蟻類研究会  編 (1988) 日本産アリ類和名一覧. 日本蟻類研究会, 東京.
  • 日本蟻類研究会  編 (1992) 日本産アリ類の検索と解説(III)フタフシアリ亜科,ムカシアリ亜科(補追). 日本蟻類研究会, 東京.
  • 緒方 一夫, 久保田 政雄, 吉村 正志, 久保木 謙 & 細石 真吾 (2005) アリ類の分類体系 -ボルトンによる最近の変更より-. 蟻 27: 13-24.
  • 寺山 守 (2004) 日本産有剣膜翅類目録. Memoirs of the Myrmecological Society of Japan, 2: 1-123.
  • 寺山 守 & 木原 章 (1994) 日本産アリ類県別分布図. 日本蟻類研究会, 東京.
担当者

吉村正志(2008改訂)、寺山 守・小野山敬一・森下正明(〜2003)