family

アリ科

subfamily

フタフシアリ亜科

genus

クシケアリ属


ITIS

 

Myrmica taediosa

Hymenoptera On-Line

 

Myrmica taediosa

FORMIS

 

Myrmica taediosa


English
2003年英語版に
ジャンプします。

ツボクシケアリ

Myrmica taediosa


学 名

Myrmica taediosa

原著論文
 

Bolton, B. (1995) A new general catalogue of the ants of the world. Harvard University Press, Cambridge, Mass.

シノニム

Myrmica taediosa Bolton, 1995.
Myrmica taediosa : Yoshimura & Onoyama, 2002; アリ類データベース作成グループ, 2003a; 寺山, 2004.
ツボクシケアリ : 日本蟻類研究会, 1992.
Myrmica scabrinodis : 森下, 1945.
Myrmica sp. B : 園部, 1976.
シガクシケアリ : 園部, 1976.
Myrmica sp. 6 : 日本蟻類研究会, 1988, 1992; 寺山 & 木原, 1994; アリ類データベース作成グループ, 1995, 1998, 2003b; Japanese Ant Database Group, 2003.

解 説

 体長3.5〜4 mm。体色は褐色から黒褐色,腹部はより暗色。触角挿入部の前方で頭盾後縁は隆起縁となり,触角挿入部の周囲は丸く縁どられてつぼ状となる。頭盾前縁中央部はほぼ直線状。額域は縦しわで刻印される。前胸背面には荒い縦方向のしわがある。本種は,頭盾後縁は隆起縁となることや,あるいは触角基部で背面から見て直角にしかし丸く曲がることによって,日本産の他種から容易に区別される。
 もともとはKupyanskaya(1990)がMyrmica carinataとして記載した種だが、Smith(1859)によってこの名前がすでに使用されていたためBolton(1995)で新しい名前M. taediosaが与えられた。
 国内では、森下 (1945) がクシケアリの一種として挙げたM. scabrinodisがおそらく本種の初出である。その後園部によって1976年にシガクシケアリMyrmica sp. Bとして報告され、和名一覧(日本蟻類研究会編, 1988)にはシガクシケアリM. sp. 6として掲載された。検索と解説(日本蟻類研究会編, 1992)では和名がツボクシケアリに改称され、データベースには2003年版(アリ類データベース作成グループ, 2003b)までツボクシケアリM. sp. 6として掲載されていた。Yoshimura & Onoyama(2002)は、Dr. Radchenkoの同定によって本種の学名をMyrmica taediosaであると発表し、今回の改訂でようやくデータベース上でも学名が確定することになった。ただ、寺山(2004)は現在の日本におけるツボクシケアリには2種を含んでいる可能性があると述べており、今後それについての検討が必要であろう。

 中部山岳での垂直分布は500〜1500mである。裸地や草地の石下に営巣する。ややまれ。


分 布

北海道,本州中部以北

文 献

  • Morisita, M. (1945b. ). Ants. . In H. Furukawa ed.Natural history of Japan 5Insect 2, 1-56. .
  • Sonobe, R. (1976). Ants of Japan (2) Genus Myrmica and Genus Manica. . Ari, (7), 1-2. .
  • Myrmecological Society of Japan, Editorial Committee (ed.) (Ed.). (1988). A list of the ants of Japan with common Japanese names. The Myrmecological Society of Japan, Tokyo.



    追加引用文献:

  • アリ類データベース作成グループ (1995) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.

  • アリ類データベース作成グループ (1998) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.

  • アリ類データベース作成グループ (2003a) 日本産アリ類全種図鑑. 学研, 東京.

  • アリ類データベース作成グループ (2003b) 日本産アリ類画像データベース. アリ類データベース作成グループ, 仙台.

  • Japanese Ant Database Group (2003) Ants of Japan. GAKKEN, Tokyo.

  • Kupyanskaya, A. N. (1990) Ants of the Far Eastern USSR. [in Russian]. Akademiya Nauk SSSR, Vladivostok.

  • 日本蟻類研究会  編 (1992) 日本産アリ類の検索と解説(III)フタフシアリ亜科,ムカシアリ亜科(補追). 日本蟻類研究会, 東京.

  • Smith, F. (1859) Catalogue of hymenopterous insects collected by Mr. A. R. Wallace at the islands of Aru and Key. [part]. Journal and Proceedings of the Linnean Society of London Zoology, 3: 132-158.

  • 寺山 守 (2004) 日本産有剣膜翅類目録. Memoirs of the Myrmecological Society of Japan, 2: 1-123.

  • 寺山 守 & 木原 章 (1994) 日本産アリ類県別分布図. 日本蟻類研究会, 東京.

  • Yoshimura, M. & Onoyama, K. (2002) Male-based keys to the subfamilies and genera of Japanese ants (Hymenoptera: Formicidae). Entomological Science, 5: 421-443.


担当者

吉村正志(2008改訂)、吉村正志・小野山敬一・園部力雄(〜2003)