2003年英語版に ジャンプします。
|
トビニセハリアリ
|
Hypoponera schauinslandi |
学 名
|
Hypoponera schauinslandi
|
原著論文
|
|
Emery, C. (1899) Ergebnisse einer Reise nach dem Pacific (Schauinsland 1896-1897). Formiciden. Zoologische Jahrbücher, Abteilung für Systematik, Geographie und Biologie der Tiere, 12: 438-440.
|
シノニム
|
|
Ponera punctatissima subsp. schauinslandi Emery, 1899.
Hypoponera schauinslandi : Seifert, 2003.
トビニセハリアリ : Onoyama, 1989.
Hypoponera sp. 7 : 日本蟻類研究会, 1988.
ホソニセハリアリ : 日本蟻類研究会, 1988.
Hypoponera bondroiti : Onoyama, 1989; 日本蟻類研究会, 1989; 寺山 & 木原, 1994; アリ類データベース作成グループ, 1995, 1998, 2003a, b; Yamauchi et al., 1996; Japanese Ant Database Group, 2003; 寺山, 2004.
|
解 説
|
|
体長2.5 mm。体色は黄色から赤褐色。触角柄節は頭部中央後縁に達しない。複眼は1〜3個眼からなり,頭盾後縁からやや離れた頭部側面に位置する(頭盾後縁から複眼前端部までは複眼直径の3〜4倍の距離)。腹柄節は薄く,幅は厚さの2倍。腹柄節下部突起は亜3角形状。
本種の初出は「和名一覧」(日本蟻類研究会, 1988)でのホソニセハリアリ Hypoponera sp. 7 としての掲載である。翌年の1989年にOnoyamaにより日本産ニセハリアリ属5種が再記載され(Onoyama, 1989)、その中でH. bondroitiと同定され、和名も新たにトビニセハリアリとされた。検索と解説(I)(日本蟻類研究会, 1989)以降、データベース2003年版まではそれに従っている。
その後2003年にSeifertは、Hypoponera bondroiti とH. schauinslandi 双方のタイプシリーズを比較して、計測値などでもこれらが分けられないことを確認し、前者を後者のシノニムとした(Seifert, 2003)。しかし、寺山(2004)の目録には依然として古い名前で掲載されていた。本改訂ではSeifert(2003)の措置に従い、日本のトビニセハリアリの学名を変更する。
土中に営巣し,多雌・多巣性である。メスに有翅のものと無翅のものの2型があり,オスにも大形で無翅,体色が暗褐色ものと,小形で無翅,体色が黄色ものが存在する。まれ。
|
|
分 布
|
|
北海道(屈斜路湖畔),南西諸島(沖縄本島),大東諸島(北大東島,南大東島),小笠原諸島(父島,西島);台湾,ベルギー(熱帯アメリカから移入?)
|
|
文 献
|
|
追加引用文献:
- アリ類データベース作成グループ (1995) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.
- アリ類データベース作成グループ (1998) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.
- アリ類データベース作成グループ (2003a) 日本産アリ類全種図鑑. 学研, 東京.
- アリ類データベース作成グループ (2003b) 日本産アリ類画像データベース. アリ類データベース作成グループ, 仙台.
- Japanese Ant Database Group (2003) Ants of Japan. GAKKEN, Tokyo.
- 日本蟻類研究会 編 (1988) 日本産アリ類和名一覧. 日本蟻類研究会, 東京.
- 日本蟻類研究会 編 (1989) 日本産アリ類の検索と解説(I)ハリアリ亜科,クビレハリアリ亜科,クシフタフシアリ亜科,サスライアリ亜科,ムカシアリ亜科. 日本蟻類研究会, 東京.
- Onoyama, K. (1989) Notes on the ants of the genus Hypoponera in Japan (Hymenoptera: Formicidae). Edaphologia, 41: 1-10.
- Seifert, B. (2003) Hypoponera punctatissima (Roger) and H. shauinslandi (Emery) - Two morphologically and biologically distinct species (Hypoponera: Formicidae). Abhandlungen und Berichte des Naturkundemuseums Go¨rlitz, 75: 61-81.
- 寺山 守 (2004) 日本産有剣膜翅類目録. Memoirs of the Myrmecological Society of Japan, 2: 1-123.
- 寺山 守 & 木原 章 (1994) 日本産アリ類県別分布図. 日本蟻類研究会, 東京.
-
Yamauchi, K., Kimura, Y., Corbara, B., Kinomura, K. & Tsuji, K. (1996) Dimorphic ergatoid males and their reproductive behavior in the ponerine ant Hypoponera bondroiti. Insectes Sociaux, 43: 119-130.
|
担当者
|
|
吉村正志(2008改訂)、小野山敬一・寺山守・吉村正志(〜2003)
|
|