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原著論文
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Yano, M. (1911) A new slave-making ant from Japan. Psyche 18: 110-112.
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シノニム
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Polyergus rufescens subsp. samurai Yano 1911,
Polyergus samurai: Emery, 1925,
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解 説
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体長7 mm。体色は少し褐色味を帯びた黒色。触角挿入部は頭盾後縁に接し,頭部後縁は狭まる。前中胸背板はあまり隆起せず,中胸の気門隆は顕著。前伸腹節後背部はやや角張って隆起する。奴隷種のクロヤマアリに体の大きさや体色ともによく似るが,やや大きめで黒味が強く,また大あごの形が略3角形のクロヤマアリと違って鎌状である点で区別できる。
主にクロヤマアリを奴隷とするがハヤシクロヤマアリも奴隷となることがある。また宮城県の蔵王山ではツノアカヤマアリとクロヤマアリの2種を奴隷種として採用している3種の混成コロニーが観察されている (園部,未発表) が,このような例は稀なものと思われる。地中営巣性。奴隷狩り以外はあまり地上を徘徊することはない。奴隷狩りは夏の午後3〜4時頃に行われ,主に繭を奪ってくる。Hasegawa & Yamaguchi (1995) は生態と奴隷狩りでの行動についての詳細な報告をしている。
四国や九州ではあまり多くない。結婚飛行は7月頃行われる。染色体数n=27 (Crozier, 1970).
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文 献
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- A new slave-making ant from Japan. Psyche 18: 110-112.
- Emery, C. 1925. P. Genera Insectorum. Hymenoptera, Family Formicidae, subfamily Formicinae. In Wytsman. Fasc. 183: 302 pp. Bruxelles.
- Crozier, R. H. (1970). Karyotypes of twenty-one ant species (Hymenoptera: Formicidae), with reviews of the known ant karyotypes. Canadian Journal of Genetics and Cytology, 12: 109-128.
- Hasegawa, E. & Yamaguchi, T. (1995). Intercolonial differences in raiding activities in the Japanese slave-making ant Polyergus samurai. Insectes Sociaux, 42: 187-199.
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