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シノニム
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オキナワジュズフシアリ (日本蟻類研究会, 1988) ,
センカクジュズフシアリ (日本蟻類研究会, 1988) ,
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解 説
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体長3mm。体色は黄色から褐色。大あごは細長い三角形状で先端1/3付近から腹方および内側へ曲がる。腹面には長さがそろわない杭(ペグ)状のものを10個前後備える。触角柄節は頭部後縁をわずかに越える。頭部の長さは幅の約1.3倍。胸部は細長く,前・中胸は側面から見てわずかに弧を描き,後胸溝はやや深く印刻される。前伸腹節は前胸とほぼ同じ大きさで,背面部は斜面部よりもわずかに長く,両者の移行部はなだらか。腹柄節と後腹柄節はおよそ同じ大きさ。腹柄節下部突起は側面から見てほぼ円形に台形をつけた形で,円形の中央は窓のように薄くなっている。腹部第1節は大きい。針は長く突出していることが多く,先端部は側面から見て三角形で,それにつづいて上方にもう1個の三角形の歯がある。体表は滑らかで光沢があり,しわや点刻はない。白ないし黄色の短い軟毛が体表全面に生えるが,立毛はわずかである。雌アリの腹柄は,キバジュズフシアリとは異なって,働きアリと同様に明確な2節からなる。園部(1972)の Ponerinae ? sp. は本種に相当する。
和名一覧(日本蟻類研究会,1988)において,オキナワジュズフシアリ Genus C sp. 1 およびセンカクジュズフシアリGenus C sp. 2 として報告された2つの種が,一種内の変異であると考えられることから,ジュズフシアリProtanilla sp. 1 として統合した.腐切株や土中に営巣する。3月に斎場御嶽で採集されたコロニーは,脱翅雌1,働きアリ77,幼虫168,卵17からなっていた(小野山,未発表)。九州以南に分布するが,採集例は少なく,まれ。台湾にも分布する(寺山,1999)。
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分 布
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九州(霧島山[園部力雄],鹿児島),奄美大島(湯湾岳[高嶺英恒]),徳之島,沖縄本島(今帰仁[辻 和希・P.Jaisson],志堅原,斎場御嶽[小野山敬一]),石垣島(於茂登岳[小野山敬一]),尖閣諸島(魚釣島[安部琢哉]);台湾
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文 献
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- 寺山 守 (1999). アリ科. 南西諸島産有剣ハチ・アリ類検索図説 (山根・幾留・寺山共著). 北海道大学図書刊行会 pp. 138-317.
- Sonobe, R. (1972). Ant fauna of the Mt. Kirishima area. InIn M. Kato, ed., "Studies on the animal comunities in the terestrial ecosystems and their conservation". Annual Report of JIBP-CTS for the fiscal year of 1971. (pp. 176-182).
- Myrmecological Society of Japan, Editorial Committee (ed.) (Ed.). (1988). A list of the ants of Japan with common Japanese names. The Myrmecological Society of Japan, Tokyo.
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