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ノコギリハリアリ属

Amblyopone


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学 名

Amblyopone

原著論文

Erichson, W. F. (1842) Beitrag zur Insecten-Fauna von Vandiemensland, mit besonderer Berücksichtigung der geographischen Verbreitung der Insecten. Archiv für Naturgeschichte, Berlin, 8: 83-287.

シノニム

Amblyopone Erichson, 1842.
Amblyopone: 日本蟻類研究会, 1988, 1989; 寺山守&木原章, 1994; アリ類データベース作成グループ, 1995, 1998, 2003a, b; Japanese Ant Database Group, 2003.

ノコギリハリアリ属: 寺西, 1930.

解 説

働きアリの体長1〜10 mmくらいで,複眼は退化し,腹柄節の後端部は広く腹部に接続する。大あごは細長く,そしゃく縁は分化しないが,内縁に1列または2列に歯が並ぶ。頭盾前縁にふつう数個以上の歯がある。触角の節数は7または10〜12節。
腐倒木や腐切株,土中に営巣し,ふつう地下で活動する。土中の節足動物を捕食する。
寒帯を除き世界に広く分布し,約60種が記載されているが,未記載種がかなりあると考えられる。日本には4種が生息する。 和名一覧(日本蟻類研究会, 1988)にはすでに4種が掲載され、そのうちの2種ヒメノコギリハリアリA. sp. 3とヤイバノコギリハリアリA. sp. 4の学名が確定していなかった。検索と解説(I)(日本蟻類研究会, 1989)ではそれに従ってこの2種を学名未決定種として掲載している。1999年になって小野山ははヒメノコギリハリアリをAmblyopone caliginosaとして記載し、ヤイバノコギリハリアリをA. sakaii Terayama, 1989であると同定した(Onoyama, 1999)。これによって日本産4種すべての学名が決定したことになる。ノコギリハリアリ以外の種は採集例が少ない。

 和名一覧(日本蟻類研究会編, 1988)や検索と解説(日本蟻類研究会編, 1989)以来データベース2003年版(アリ類データベース作成グループ, 2003)までノコギリハリアリ属はハリアリ亜科Ponerinaeに含まれていたが、今回の改訂ではその後に発表されたBolton(2003)の体系に従い、本属をノコギリハリアリ亜科Amblyoponinaeに移動した。Bolton(2003)の分類体系の改訂については緒方ら(2005)でも解説されている。


文 献

  • アリ類データベース作成グループ (1995) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.

  • アリ類データベース作成グループ (1998) 日本産アリ類画像データベース. 日本蟻類研究会, 東京.

  • アリ類データベース作成グループ (2003a) 日本産アリ類画像データベース. アリ類データベース作成グループ, 仙台.

  • アリ類データベース作成グループ (2003b) 日本産アリ類全種図鑑. 学研, 東京.

  • Bolton B. (2003) Synopsis and classification of Formicidae. Memoirs of the American Entomological Institute: 1-370.

  • Japanese Ant Database Group (2003) Ants of Japan. GAKKEN, Tokyo.

  • 日本蟻類研究会  編 (1988) 日本産アリ類和名一覧. 日本蟻類研究会, 東京.

  • 日本蟻類研究会  編 (1989) 日本産アリ類の検索と解説(I)ハリアリ亜科,クビレハリアリ亜科,クシフタフシアリ亜科,サスライアリ亜科,ムカシアリ亜科. 日本蟻類研究会, 東京.

  • 緒方 一夫, 久保田 政雄, 吉村 正志, 久保木 謙 & 細石 真吾 (2005) アリ類の分類体系 -ボルトンによる最近の変更より-. 蟻, 27: 13-24.

  • Onoyama K. (1999) A new and a newly recorded species of the ant genus Amblyopone (Hymenoptera: Formicidae) from Japan. Entomological Science, 2: 157-161.

担当者

吉村正志(2008改訂)、小野山敬一・吉村正志(〜2003)