属解説

ウメマツアリ属 Vollenhovia

フタフシアリ亜科/不明族


 働きアリの体長2〜6mm,黄色から黒褐色のアリ。頭部は縦長の長方形。大あごは三角形で4〜7歯をもつ。PFは2,2。頭盾は1対の縦に走る隆起線をもつ。額隆起縁は短く,張り出しは比較的小さい。触角は12節(一部の種で11節)からなり,先端の3節はこん棒部を形成する。触角柄節は短く頭部後縁に達しない。複眼は発達する。前,中胸背は側方から見てほぼ直線状,後胸溝は弱いものから明瞭なものまである。前伸腹節後側縁は突起をもつものから突起をもたず丸みを帯びるものまである。腹柄節は柄部を持たないかせいぜい短い柄部を持ち,背面後方は縁どられ,後腹柄節と段差をなして連結する。板状の腹柄節下部突起をもつ。脚は短く,中・後脚に脛節刺を欠く。

 Ettershank(1966)は本属の族所属位置を保留したが,Wheeler & Wheeler(1985)H"olldobler & Wilson(1990)ではトフシアリ族 Solenopsidini に所属させた。

 本属はインド以東の東南アジアを中心にニューギニア,オーストラリア,オセアニアにかけて約60種が記録されている。働きアリは単型のものが多いが,多型の種も知られている。また雌アリで職型雌をもつ種がある。生態はほとんど知られていないが,捕食性で,特に昆虫の幼虫を餌とする例が知られている。多くの種は林内の朽ちた倒木や樹皮下等に営巣する。

 「和名一覧」にはウメマツアリ1種のみを掲載したが,今回オオウメマツアリ,オキナワウメマツアリ,サキシマウメマツアリ,タテナシウメマツアリ,ヤドリウメマツアリ,ヤンバルウメマツアリの6種を新たに加え,合計7種を取り扱う。ただし学名が与えられている種はウメマツアリ V. emeryi とヤドリウメマツアリ V. nipponica の2種のみであり,また分類上問題を残している部分も多い。ヤドリウメマツアリは Kinomura & Yamauchi(1992)によって新種として記載された,働きアリを欠く社会寄生種で,この種については下記の検索表から除外した。以前に V. emeryi chosenica の報告(寺西,1933)があるが,その後の記録がなく日本のアリ相からは除外してある。

解説者:寺山 守・山内 克典


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