属解説

オオアリ属 Camponotus

ヤマアリ亜科/オオアリ族


 体長2.5mmから20mmを越すものまで様々なサイズの種を含む属であるが,4 mm以上の中〜大型種が多く,地上徘徊性のものも多いため目につきやすい。触角は12節で,複眼が発達している。働きアリに単眼はない。触角挿入部は頭盾後縁部から離れた位置にある。PFは6,4。日本産の種では胸部背縁は側方から見て前胸から前伸腹節にかけて弧をえがく。腹柄節は厚い鱗片状で,刺や歯状突起を持たない。働きアリは同種内でサイズの変異が大きく,小型と大型の個体を比較すると,形態が異なる場合が多い。特に大きさの差が著しい場合,大型のものを兵アリと呼ぶこともある。

 これまでに約600種が記載されており,世界の熱帯から亜寒帯まで広く分布する。営巣場所は土中性のものから樹上性のものまで様々なものが見られる。本属では地理的変異や個体変異の幅が大きい種が多いにもかかわらず,これらの研究がほとんど成されていないことから分類は著しく混乱した状態にある。Emeryの目録 (1925)には1300以上の種・亜種・変種が掲げられているが,それらのほとんどは未整理のままで今日に至っている。また多くの亜属が設定されているが,亜属間の区別は不明瞭で,亜属を認めない取り扱いを受ける場合が多くなって来た。ただし,南北アメリカ産のColobopsisは独立した属として取り扱われる場合もある(Brown, 1973; Snelling, 1981; Holldobler & Wilson, 1990など)。東洋区のColobopsisに関しては研究が不十分であることから,ここでは従来どおり亜属として取り扱った。

 上述のように亜属間の明瞭な区別点を示すことは困難であるが,日本における各亜属の特徴の概略は次の通りである。

亜属

  オオアリ アメイロオオアリ ミカドオオアリ クサオオアリ ウメマツオオアリ ヒラズオオアリ

解説者:寺山 守・森下 正明・小野山敬一


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