属解説

トゲアリ属 Polyrhachis

ヤマアリ亜科/オオアリ族


 体長5〜10 mm程度で中〜大型のアリ。複眼は発達し,単眼は欠失する。触角は12節からなる。触角挿入孔は頭盾後縁から離れた場所にある。PFは6,4。前胸,前伸腹節,腹柄節のいずれか1か所以上の部位に刺状あるいは歯状の突起を持つ。腹部第1節は大きく腹部全体の1/2以上の大きさを占める。腹部末端の開口部に周毛はない。

 本属は種によって土中から樹上までの様々な場所に営巣する。樹上生活種では,植物体を用いたカ−トン製の巣や葉を糸で紡いだ巣を作るものも見られる。南北米を除く熱帯,亜熱帯を中心に約 650の種・亜種・変種が記載されており,それらは14亜属(Hung, 1967; Bolton, 1973)に区分されるが,亜属間の区分が不明瞭なものも含まれている。 熱帯・亜熱帯アフリカ産のものに関しては Bolton (1973) の総説があり42種にまとめられた。オーストラリア産については Kohout & Taylor (1990)が114種に整理している。アジアにおいても,一部の種群についてはまとめられている(Bolton, 1975; Hung, 1970; Kohout, 1988, 1990)が,まだ多くの種は未整理で分類は混乱した状態にある。日本ではトゲアリ亜属(Polyrhachis s.str.),タイワントゲアリ亜属(Myrma),クロトゲアリ亜属(Myrmhopla)の3亜属に4種が知られている。

解説者:寺山 守・久保田政雄


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