属解説

ウワメアリ属 Prenolepis

ヤマアリ亜科/ケアリ族


 働きアリの体長2〜6.5mmの小〜中型のアリ。大きさ,体色などはアメイロアリ属のアリによく似ており,触角柄節も多くのアメイロアリ属のアリ同様長いが,以下の点が異なっている。複眼は頭部の中央よりも後ろに位置する。触角柄節と脚脛節に立毛を欠き,代わりに長くて密で斜めに生える軟毛を持つ。胸部は背方から見ると全体として亜鈴型となる。すなわち,前胸と前伸腹節は幅広くて球状で,中胸の幅は狭く背面からみて前胸の幅の1/2に満たない。雄は尾毛(cerci)を持つ。なお,働きアリのPFは6,4。

 Prenolepis属名はMayrによって1861年に設立されたが,Emery(1925)ヤマアリ亜科の整理を行うまでは,今日Paratrechina属とされているアリ類を多く含んでいた。したがってかつてPrenolepisとして記載された種の大部分は現在Paratrechina属へ移されるべきであるが,東洋区のPrenolepis属とParatrechina属はほとんど未整理のままになっている。

 生態については北アメリカ産のimparisについてしか調べられていない。この種は直接地中に営巣することが多い。植物やアブラムシからの液汁を主な食物とし,しばしば膨張した腹部になる。また,零度近い低温下でも活動することで知られる(Creighton, 1950)。

 ヨーロッパ南東部からアジアに10数種,北アメリカに1種が分布する。日本には未同定種1種が分布する。

解説者:森下 正明・小野山敬一


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