属解説

ノコバウロコアリ属 Smithistruma

フタフシアリ亜科/ウロコアリ族


 体長1〜2mmの小型のアリ。頭部は亜三角形で,後縁中央は多少ともくぼむ。頭部背面はもりあがる。大あごは種により異なるが,一般に亜三角形で,多数の小歯を備える。上唇は前方に2葉状の突起をもつ。触角は6節で,柄節は基方約1/3でやや幅広くなるものから,極端に角ばって幅広くなるものまである。前伸腹節刺は一般に鈍い歯状突起となることが多い。腹柄節,後腹柄節の海綿状付属物はふつう発達する。体毛は単純なものから,こん棒状,鱗片状,円状,縮れたものなど多様性に富む。

 ウロコアリ族の中ではウロコアリ属についで種数が多く,現在約100種が記載されており,世界中の熱帯から温帯に分布する(Bolton,1983)。本属は Brown(1948)により設立されたが,その後含まれていたいくつかの亜属は独立したり,残りも亜属としての取り扱いをしなくなったり,また他の属との中間的な特徴を持つ種がいくつも記載された結果,属としての特徴はかなり曖昧となっている。近縁属を含め,将来分類学的な再検討が必要とされる。

 日本産の本属は8種が区別される。「和名一覧」では学名決定種を3種あげたが,Ogata(1991)は leptothrixを追加した。これは「和名一覧」でのケブカウロコアリにあたる。したがって,学名未詳種は4種となった。多くは照葉樹林の林床の土中や腐朽木中に営巣し,まれ。

解説者:緒方 一夫・小野山敬一


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