属解説

ヨフシウロコアリ属 Quadristruma

フタフシアリ亜科/ウロコアリ族


 働きアリの体長1〜1.5mmの小型のアリ。大あごは短い棒軸状で,強く内側に湾曲し,中ほどに小歯をもつ。大あごの先端部には背腹方向に2本の針状の歯が2叉状に配列している。左右の大あご挿入部は近接している。頭盾は幅広く,前方部は角ばり,前縁はほぼ直線状。触角は4節で,柄節外縁は角ばる。胸部は短く,前中胸は隆起しない。頭部の体毛は鱗片状から円状。

 2種からなる小さな属で,ヨフシウロコアリ Q. emmae は世界中の熱帯ないし温帯域から記録されているが,エチオピア区が起源と考えられている(Bolton,1983)。もう1種の Q. eurycera はニューギニアからのみ知られる。円状の体毛や中ほどで幅広くなる頭部の形態などは外見上セダカウロコアリ属Epitritus に似る。実際,現在のヨフシウロコアリ属の2種とも Epitiritusとして記載されたものである。しかし,大あごは左右が近接して挿入している点や先端部の歯は2叉状に配列している点などが異なり,Brown(1949b)によってQuadristruma という属が設立され,これらの特徴はウロコアリ属Strumigenys に近縁であることを示すとされる。むしろ,ウロコアリ属との違いは触角節数の違いぐらいなので,将来はウロコアリ属のシノニムになる可能性もある(Bolton,1983)。

 日本にはヨフシウロコアリだけが分布する。

解説者:緒方 一夫・小野山敬一


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