Baroni-Urbani(1968)は主に雄交尾器の形態から Solenopsis 属とDiplorhoptrum 属を区別したが,Bolton(1987)はこれらをまとめて 1 つの属として取り扱っている。世界の熱帯から亜寒帯まで広く分布し,約270種が記載されている。農業害虫として非常に有名なカミアリ(fire ants)は本属のアリで,北米では S. invicta,geminata,saevissima,xyloni などが侵入あるいは分布を拡大し,農作物や家畜に莫大な被害をもたらしている。これらの種に刺されると,アルカロイド系の毒によって非常に激しい痛みを覚え,さらに毒に対してアレルギー反応を引き起こす例が,北米だけでも年間で1500件近く起こっていることから,衛生害虫としても問題視されている(Thompson,1990)。 S. fugax では他のアリに隣接して営巣し,巣をそのアリの抗道につなげ,そこからそのアリの巣に出入りし盗みを行なうことが知られている。
日本からは3種が記録されているが,アカカミアリS. geminata は人為的に侵入した種で,沖縄本島で一時繁殖が確認されたが,現在の分布状況は不明である。
解説者:寺山 守