属解説
ムネボソアリ属 Leptothorax
フタフシアリ亜科/ムネボソアリ族
働きアリは小型で単型のアリ。大あごにはふつう5歯,まれに6歯を備え,基部に近づくにつれて小さくなる。PFは5,3。頭盾の中央部は広く,額葉の間に広くのびる。頭盾の前縁中央部は,一様に凸状のものから強く丸い突出部をもつものまで変化する。額隆起縁は短く,まれに狭い額葉の終端から後方へのびるかすかで細い線になっている。触角は11または12節で,先端の3節は顕著なこん棒部を形成する。複眼は中ないし大型で,頭部側面の1/2のところか少し前方に位置する。後胸葉は丸く,ふつう小さい。前胸の前側部の角は,丸いものから歯状になるものまである。後胸溝はないものから深く刻印されるものまで変化する。前伸腹節にはふつう1対の歯か刺を備えるが,まれに欠くこともある。体毛はふつう短く太く鈍い毛であるが,ときには欠いたり長い場合がある。シワアリ属に似るが,以下の点で区別される(Bolton,1982):1)小あごひげは5節(シワアリ属では4または3節),2)頭盾の側面部は触角挿入部の前で狭い隆起線または盾状の壁となって隆起することはない(隆起する),3)大あごの歯は5個,まれに6個で基部へ向かうにつれて小さくなる(ふつう7歯で先端の3歯が大きい)。
本属は200種以上が記載されている大きな属である。全世界的に分布するが,多くは全北区に分布する。旧北区のものは西ヨーロッパのものを除き,分類は整理されていない。社会寄生や奴隷狩りをする種が知られている(Alloway,1980)。
「和名一覧」では学名決定種5種をあげた。その後ハリナガムネボソアリは Terayama & Satoh(1990)によって種へ昇格された。本書では学名未詳種のオガサワラムネボソアリ,キイロムネボソアリ,チャイロムネボソアリ,ハヤシムネボソアリ,ヒラセムネボソアリ,フシナガムネボソアリ,ヤエヤマムネボソアリ,ヤドリムネボソアリの8種を加え,計13種を扱った。
解説者:寺山 守・小野山敬一・森下 正明
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