属解説

メクラナガアリ属 Stenamma

フタフシアリ亜科/オオズアリ族


 働きアリの体長2〜4mmの小型のアリ。複眼は小さく,日本産の種では触角第2節の長さより短い。頭盾は中央部で隆起し,1対の縦の隆起縁がある。触角は12節で末端部は4節からなるこん棒部を形成するかまたは明瞭なこん棒部を形成しない。触角柄節は頭部後縁に達するかわずかに越える。頭部後縁は多少とも偏平で,後頭隆起縁をもつ。前中胸背板は隆起する。後胸溝は顕著。前伸腹節刺は小さい。腹柄節の柄部は長く,丘部はなだらかに盛り上がる。腹柄節下部突起を欠く。オオズアリ属Pheidole の小型働きアリやアシナガアリ属 Aphaenogaster に似るが,前者とは触角のこん棒部が3節でないこと,後者とは触角柄節が短いこと,頭盾中央部に1対の縦の隆起縁があることで区別される。

 温帯系の属でほとんどは全北区に分布し,約30種からなる。カナダのケベックのカシワ林やカエデ林では,メクラナガアリ属のコロニー密度は高い(Francoeur,1965,1966)。1巣の働きアリ成体数は少なく,S. diecki では数十程度である(Francoeur,1965)。

 日本からは2種が知られており,Yasumatsu & Murakami(1960)が総括している。なお,Arnoldi(1975)は千島列島の国後島から kurilense という種を記載しているが,日本産の既知2種との関係は明らかではなく,本書では除外した。

解説者:緒方 一夫・小野山敬一


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