属解説
フタフシアリ亜科/クシケアリ族
働きアリは中型の大きさの単型のアリ。体の大きさには同一巣内でもかなりの変異が見られる。頭部は背面から見てほぼ卵型。大あごは略三角形で,そしゃく縁の歯は6〜10個で先端部から基部の方へ小さくなる。PFは6,4。額隆起縁は短く後方へ伸びない。触角は12節。べん節の先端部は3〜4節のこん棒部を形成するが,その程度は様々である。柄節はふつう頭部後縁を越える。その基部近くは,強く曲がったり縁どられたりすることが多い。複眼は中程度の大きさで,頭部中央よりも前方に位置する。前中胸縫合線は背部で不明瞭。後胸溝は多少とも刻印される。前伸腹節には1対の刺を備える。中・後脚の脛節刺はふつう1本で,多くの場合櫛歯状の部分があるが,ほとんど単純の場合もあり,また脛節刺を欠く場合もある。腹柄節下部突起は小さく,前下方に位置する。Bolton(1988)はクシケアリ属を再検討し,寄生性であることから独立の属とされていたParamyrmica,Sommimyrma,Sifoliniaをクシケアリ属のシノニムとした。クシケアリ属には同属他種への同居寄生が15種知られており,働きアリをもたない場合が多い。
本属は日本も含めて分類学的整理がまだ十分ではないが,最近の主だった文献(Bolton,1988;Kutter,1977;Agosti & Collingwood,1987;Collingwood,1970;Kupianskaya,1986;Allred,1982;MacKay et al.,1988)から推定すると,旧北区に60種以上,新北区に約20種が分布する。
「和名一覧」では6種をあげたが,ここでは学名未詳の2種,カドクシケアリとキタクシケアリを追加し,日本産クシケアリ属として学名決定種4種,未詳種4種の計8種をあげた。
解説者:小野山敬一・園部 力雄
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