属解説

カタアリ属 Dolichoderus

カタアリ亜科/カタアリ族


 体長 3〜5 mmの中型のアリ。複眼は発達し,よく突出する。触角は12節からなる。PFは 6,4。前伸腹節後側縁は角ばるものから刺状突起を持つものまである。腹柄節はコブ状で,腹部はこれにおおいかぶさらない。外被は硬く,点刻などの表面構造が発達している場合が多い。

 旧北区,東洋区で従来 Dolichoderus 属として扱われていたものはほとんど Hypoclinea 亜属に属し,最近では後者を属として認めている(Snelling,1981; Wilson,1985; Lattke, 1986; Holldobler & Wilson, 1990)。しかし本属の分類学的取り扱いについては問題も多い。ことに狭義の Dolichoderus,Monacis との関係は必ずしも明瞭でない。例えば Brown (1973) Wheeler & Wheeler (1973, 1976)は Hypoclinea は Monacis とともに Dolichoderus のシノニムとなると考えている。またMonacis を独立の属として取り扱ったり(Wilson, 1985, Holldobler & Wilson, 1990),Hypoclinea のシノニムとして取り扱っている(Lattke, 1986)など,その分類学的処置は,研究者によって異なっている。

世界の熱帯から亜寒帯にかけて広く分布し,約50種が記載されている。樹上営巣性種が多く,植物からの分泌物や同翅目昆虫の分泌物等を餌としているものが多い。日本からはシベリアカタアリ1種のみが知られている。

解説者:寺山 守・久保田政雄


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